スペイン発のインテリア雑誌『Apartamento』が2016年よりスタートした、年一回刊行のレシピブック『Apartamento Cookbook』シリーズ。第6号は『Apartamento Cookbook #6: Somehow Salads』。今回は「なんとなく」サラダに特化している。「Somehow Salads」、確かに幾分もっともらしいサブタイトルではある。そこの点がどういうことかをはっきりさせておくと、6年前にこの料理の旅に乗り込んで、今回の第6章に終わりが訪れたあと、制作チームはこのようなレシピ集を定義するのに「サラダ」という言葉が十分な包容力を持っているのかどうか疑問に思い始めていた。スペイン・タラゴナの「Bar Cortijo」に勤める友人が作った豚の耳のカクテル? ロンドンの「Bao」が賄いで出す深夜のほろほろ鳥料理? ミシュランの星を獲得したパリ「Septime」の野菜のグリルとグレーズ? 韓国のトップシェフが手がける日々の定番料理やアサリの酢コチュジャンソース煮込み? その判断は読者にお任せする。カリフォルニアのコミューンで採れた海藻、焦がしピーカンナッツのドレッシング、ロメスコ・ソース、ワインメーカーや作家、1970年代にゴードン・マッタ=クラーク(Gordon Matta-Clark)と一緒にレストランを開いた料理人のチーズで焼いたサラダなどが登場する。以上のように、レシピブック『Apartamento Cookbook』シリーズの第6号は、多様な「ファミリー」で構成されていて、独創的な「なんとなくサラダ」のシリーズとして、飽きのこない内容で構成されている。
ドローイングは日本人イラストレーターの塩川いづみが手がける。
特集:アンダース・フレデリック・スティーン(Anders Frederik Steen)、バー コルシオ(Bar Cortijo)、ベルトラン・グレボー(Bertrand Grébaut)、キャロルグッデン(Carol Goodden)、 クラウディア・ローデン(Claudia Roden)、エルチェン・チャン(Erchen Chang)、ファトマタ・ビンタ.(Fatmata Binta)、ジナ・カイヤー(Jina Khayyer)、ラースロー・マリー・バデ(Laszlo Marie Badet)、ローラ・ベラグアス(Laura Veraguas)、レキシー・スミス(Lexie Smith)、マックス・ロシャ(Max Rocha)、ミングー・カン(Mingoo Kang)、ノーマ・リストマン&シャキブ・ケヴァル(Norma Listman & Saqib Keval、ジェレミー・スチッパー&フリッツ・ハーク(Jeremy Schipper & Fritz Haeg)、ステファニー・アレクサンダー(Stephanie Alexander)
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DETAIL
- MATERIAL
black and white
2021
published by APARTAMENTO- SIZE
- hardcover
44 pages
170 x 240 mm
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