スウェーデン人フォトグラファー、リナ・シェイニウス(Lina Scheynius)の作品集。作者は身体やフィルムを「露出」させ、何度も重ね合わせる。古代彫刻は、作者と自身の身体が生む生き生きとした対話の出発点であった。有機的なものと鉱物的なものとの間にある機微な重なりを作者のユニークな視点がここで露わにする。この未発表のシリーズは、何世紀にもわたって受け継がれてきた芸術を現代的な視点によって呼び起こしている。全てフィルムカメラで撮影されているが、にもかかわらず、我々のとりすました画面越しには有り余る作品となっている。比較的大判のフォーマットで作られた本書は、文学的とも言える切れ目のない「ささやき」を見せる。これは、作者にとって新たなジェスチャーであり、全てにおける「露出」を照らしながらその広がりを見せる一つの物語を写し、それを織りなしているのである。
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DETAIL
- MATERIAL
black and white
2021
published by ART PAPER EDITIONS- SIZE
- softcover
176 pages
210 x 260 mm
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