今改めて、sulvamについて思う事。
宮崎です。今年もあと60数日。
ふと、ここで今改めて、sulvamについて回想してみようと思い、記事を書いています。
出会いは今から約5年前、
まだ僕は朝ダイエーで品出しのバイトをして、昼からMuktaをオープンさせていた。お金がないから自転車通勤。
毎日必死だったのか、惰性で生きてのかも覚えてもない。
最近ふと思うのだが、
自分は将来何がしたいとか、
夢について悩んだり考えられるということは、
裏を返せば時間や心に余裕があるから出来ることなんだと思う。
未来よりも今日明日で精一杯。
当時はそんなこと考える余裕なんて一切なかった。
今もそんなにないけどね。
そんなタイミングで、色々な偶然が重なってsulvamをお取り扱いさせていただくことになった。
sulvam 14A/W
2014AW、デビューコレクション。
情け無いことにシャツ数型とニットとパンツ、10着も買えなかったと思う。
まるでバンドのデビューアルバムを手にする様な気持ちで、sulvamを買わせていただいた。
その思いは今も変わらない。
一人のファンとして2nd,3rdと続くアルバムのように、毎年2回のコレクションを心待ちにしている。
展示会後に2人で飲みにいって、
お互い新卒の初任給にも満たない給料を笑いながら、
安い居酒屋でお酒を飲んでたことが懐かしい。
あれから5年。
哲平さん、めちゃくちゃ売れましたね。笑
僕は彼より男らしい男を知らない。
人として、ここには書ききれない沢山の影響を受けている。
自分にも店に3人の仲間がいて、彼らに僕も哲平さんのように男らしい背中を見せれているだろうか。
多分出来てないな。
気づけば地方の狭い一店舗で、どこにも負けない主力ブランドになった。
本当にsulvamがなければとっくに店は潰れてたと思う。
さらに、哲平さんをきっかけに、
たくさんの素晴らしい人に出会わせてもらった。
彼らはデザイナーとして、Mukta、Salでお取り扱いさせていただいたり、先輩として東京でいつも一緒に飲んでいただいたり。
仕事として、仲間としてお付き合いしていただいている。
本当に多大なる恩を哲平さんから受けた。
sulvam 15A/W at Tokyo
sulvam 16S/S
sulvam 17SS at Tokyo
そして、今、店だけの関係を越えて
ミラノからパリ。ブランドとして最も大切なコレクション発表のお手伝いをさせていただいている。
東京発パリ行き。
同じ部屋に寝泊まりして、同じ時間を精一杯過ごす。
ささやかな自分の力ではあるが、
人から求められるということは
なんて幸せなことなんだろう。
人は絶対に一人では生きられない。
誰かの為に何かをする行為は美しく、生きる力であると僕は信じている。
sulvam 17A/W at Pitti Uomo
sulvam 17A/W at Tokyo
sulvam 18S/S at Milano
sulvam 18A/W Finale at Milano
圧倒的な技術のパターンメイキング。
引かれる線には、さらに彼の感情が乗っかり、
まさにsulvam=即興演奏によって
圧倒的なパワーをもった服が生み出される。さらに僕は哲平さんの色使い、生地使いの大ファンだ。
sulvam 19S/S at Paris
でもそれは飽くまでも服として。
重要なのはソコじゃない。
僕が、そしてあなたが、どういう思いでsulvamを着るかが重要なんだ。
大切な日に袖を通すジャケット、
気分が上がるパンツ。
理由なんて何でも良い。
あなたの生活がsulvamの服と共にあって、
あなただけの思い出やシワや汚れが、
服はどんどん消耗するが、
それはあなただけのsulvamとの何よりも美しい関係を生み出す。
それが僕らと、きっと哲平さんにとっても一番の願いであり、
僕らが服屋たる唯一の目的だ。
まだ着たことがない方は、
一度でいいから袖を通しに来て欲しい。誰にも負けない熱で僕らはあなたにsulvamを提案します。
既にsulvamをよく知っている方も、
お久しぶりの方も、
まだまだ僕らは話足りていません。
僕らも日々進歩してます。きっと新しい角度からお話が出来るのでご期待下さい。
sulvam 19A/W at Paris
秋冬はより一層服が楽しくなる季節。
改めて、当店の根幹として、sulvamについて徒然と思いを書かせてもらいました。
sulvamというブランド、
藤田哲平という人間に出会えたからこそ、MuktaとSalの今日があることは絶対の事実で、
僕は彼が死ぬまで、いただいた恩を返し続けたいと思う。
まだまだ僕らも、もちろん哲平さんも、こんなもんじゃない。
2019.10.27 宮崎雅也