Mukta, Sal Renewal

Mukta = 解脱
Sal = 音

J.D.サリンジャーの小説に出てきた
Mukta(ムクタ)という言葉の響きが好きで、
そのまま店名として2011年4月にオープンした。
それから約7年、2018年3月、
自分が30歳を迎える年に
sulvamのデザイナー藤田哲平氏に
名前をいただき、2店舗目となるSal(サル)をオープン。

気づけばもう約8年以上、
服屋を生業にし、
今日も何とか生きている。

思えば僕はずっとバンドを組みたかった。
それが音楽とは違う形で、
今4人体制のバンドとして活動している。
服に出会い、人生が変わった4人。
一人一人がその人にしか出来ないパートを担当し、
共通意識のもとに活動をし発展を目指す。
だから僕らは飽くまで店頭、
ライブでの販売に拘りを持っている。

目まぐるしいスピードで進み続ける
時代の流れに、多大な恩恵を感じながらも、
後世に伝え、残すべきことに目を向ける間もなく、
絶え間のない新しい情報とアートの氾濫を僕は危惧している。
それは明らかに一個人が包括し、
取捨択一できる量ではなく、
さらに人間の思考を奪い去るものだからだ。

洋服は心を豊かにするものである。
その根幹がブレることはない。
しかし飽くまでも洋服はモノであり、
それを媒体に、その裏にある作り手の想い、
文化、歴史を、対話によって伝えることが
我々の役割であると信じている。

これからの未来のために。
そして未来を意識すれば今は変わる。
そんな一つのキッカケになれれば幸いだ。

記号としてのファッションからの解脱、
作り手と伝え手とお客様、皆で奏でる音。
リニューアルに辺り、
改めて、我々の意思と決意表明をここに記します。




2019年8月21日
代表 宮崎雅也