“ファッションと環境” 僕たちにできること

世界中で環境問題が叫ばれている。
中でもファッション業界はその問題の渦中にあり、
遅れをとっていた業界ともいえる。
先日、プラスチックゴミの削減をめざし、
環境省から2020年にレジ袋有料の義務化が発表された。

近年、ハイブランドだけでなく
ユニクロ、ZARA、MUJI。
NIKE、ADIDASをはじめとした
メジャーブランドも環境問題に関するアプローチは
目に見えて動き始めている。

買い物でも当たり前に使い捨てされる
プラスチックやビニール袋。
これの「何が問題なのか」を知り、
自分たちにできることを、
スタンスとしてつくることが重要だと思った。
ゴミは適切に処理しなければ、行きつくところは海。
プラスチックはいくら小さくなっても、
分解してなくなることはない。
それによって海洋生物が細かくなった
「マイクロプラスチック」を食べ、
生物にも僕たちにも被害を与えている。



環境問題?
説教くさいと自分たちに入ってこない。
でも真剣に考えるべきときは来ている。
この便利な現代社会において、
ゼロにすることはできないとしても
何かできることはないか、以下2つが話にあがった。
「1. インフラから解決する」
「2. 皆の意識を変え、参加できるきっかけを作る」

「1. インフラから解決する」
これは、大手のようにインフラを変えれば
社会的インパクトがあるというもの。
僕たちは神戸にある洋服の個店。
何かを大量に扱っているわけではない。

「2. 皆の意識を変え、参加できるきっかけを作る」
最初、何をやれば効果的なのかがわからなかった。
もっと、身近な人たちや
僕たちを信頼してくれる人たちに対して
環境に対する危機感やスタンスを伝えたい。

僕たちSalで取り扱うブランド “beta post”では、
レジ袋に付けるとバッグになるレザーハンドルを制作していたり、
(本当にレジ袋に対しての考え方が変わる)
レジ袋を回収・リサイクルして、
奄美大島の本場大島紬の技術を応用した
プロダクトなども作っている。

Suspension Handle (4colors)
Sakiori Pocket T-Shirts

beta postに、リサイクルまでの仕組みを作れないか相談した。

双方で話し合い、考えついたアイデアがこれだった。




購入いただいた際にお渡しするプラスチックバッグを
ファッションアイテムとして
「リユース」「リサイクル」までできるようにする。
それを自分たちの店で想いを話せれば
近くの人たちには伝わるのではと考えた。


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・Mukta, Salでは購入いただいた方にこのプラスチックバッグで商品をお渡しする。

・リサイクルとしてMukta, Salではこのプラスチックバッグの回収も行う。
・次回来店時にこの袋をリサイクルとしてお持ちいただいた方には、
 beta postで端材として残ったレザーをリサイクルした
 オリジナルのステッカーをプレゼントする。
・回収したプラスチックバッグはbeta postの生産にお渡しして
 商品にも役立ち、リサイクルできる仕組み。
*Mukta, Salでは20年4月、レジ袋有料化がされるまでの期間の試みとして行う予定
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プラスチックバッグには、
写真家のRIKU IKEYA氏を起用した。
彼は環境をテーマに撮影しているわけではなかったが
彼が対象として撮る、強いトーンの自然が
シリアスで強烈なメッセージがあると感じたからだ。
実際に、これは海のゴミ取り機を写したものである。
他に、植物の怒りを感じるものや、
カラスが死んでいるもの。
ここに“PLASTIC KILLS”といれた。


イメージは、海外のタバコ。
“SMOKING KILLS” と書かれてある。
喫煙は死をもらたす。
初めてみたとき、あまりにもインパクトがあった。
タバコが健康を害することは周知の事実。
こうやって社会のリテラシーは
時代とともにアップデートされていく。

“PLASTIC KILLS”
プラスチックは死をもたらす。
それでも、大量にプラスチックを使っている事実。
パラドックス。逆説的。
この現代社会において、
便利品や嗜好品をゼロにすることはできない。
ただ、皆がこれをきっかけに、
「この袋、何?」と話して考えて、
捉え方が変わることが一番大切なことだと思っている。
誰かに少しでも伝播して考え、
使い方が変わるような機会になれば。

このプラスチックバッグは普段使いできる。
Photo Tシャツはこの世に多くあれど、
Photo Plastic Bagはそうそう見たことがない。
思った以上にプラスチックバッグは頑丈で
ファッションアイテムとしても優秀だから
捨てずにリユースしてみてほしい。

僕たちのこの小さな活動から、
自分たちの行動を考えるきっかけになれれば嬉しい。


THE MORE YOU KNOW,
THE LESS YOU USE.