神秘的なベール / sulvam

sulvam / Organdy Over Coat (BLACK)

神秘的なベール

ご存知、コートは寒い時に一番上に着るもの。

もちろん冬だけでなくスプリングコート、なんて言葉はあるし頭では理解しているけれど、置いてけぼりにされたオータムのことも考えてやってほしい。
というところまでが凡人の発想で、サマーについては触れられもしない。そんなひどい話があるか。サマーニットがあるんだからサマーコートもあってもいいんじゃないか。と言わんばかりに堂々とsulvamのショールームに存在していたのがこのコート。コートというよりもはや着るベール。アリエール。
僕はサマーニットという生まれた時から矛盾している存在が大好きだ。だからこのコートも況や。
オーガンジー素材だけあって極薄手のこのコートはラックに並べても存在しているのか存在していないのか稀に分からなくなるような気がする。確かにそこにはある、けれども家の窓ガラスのような、あることを意識して知覚しなければならないような存在感だ。
オーガンジーという素材に目が行きがちだが、このコートの本質的な魅力は薄手ながら硬めでフォルムをしっかりと保つというこの素材の特性を活かした特異なパターンだ。
どう着るのが正解なのかいまだに分からないが、僕はハ○ターハン○ーのオーラのように柔らかい一方で寄せ付けない何かを感じさせる神秘的なベールとして使ってみたいと思う。

恐らく、このコートは必ずしも一番上に着なくても良いような気もする。

sulvam / Organdy Over Coat (BLACK)
- mood from " 逃避行 " -