DJing
ディージェー・イング。DJすることですね。自分達がやっていることというのは、ある種DJのようなものと思っていて、既に在るものをその時その時の時代の空気感を自分たちの視点で切り取り、組み合わせることによって、1+1=2,3,...10...もしかしたら100みたいなモノにしていくことが仕事だと思っています。それは決して洋服だけの話ではなくて、人だったりお店だったり場所だったり作品だったり...そこの自由度の高さはセレクト・ショップという業態の面白さだったりします。月並みな言葉で言えば編集ということになるのですが、なんというかもう少しグルーヴ感がある感じというか、生っぽいというか、ライヴ感があるというか...まあいいや。
5月は約半年単位で進んでいくファッションというシーズンの中では折り返しにあたり、シーズンというファッションゲームなんて...という思いの裏腹に、なんやかんやそのバスバス進んでいく時間軸の速さがそのファッションそのものの特異な醍醐味であるという矛盾したワクワクにつながるフシも無きにしも非ず、ということで、僕たちとしては現状のゲームのルールに乗っかりながらうす〜く抗っていくことを選択しています。キコ・コスタディノフも198201111959の2021_12号でのインタビューでそんなようなことを言っていて、彼自身もそれを皮肉っぽく楽しんでいるようでした。その答えがライヴ感あるDJという編集行為だと思っています。その話もまあ、いいか。
さて、ということで引き続き5月もイベントが続きます。今週末は東京・青山のヴィンテージショップ、DE CHIRICOをSalのポップアップスペースにご招待することになりました。ファッションを愛したことがある人であれば誰しもが辿り着かざるを得ないであろう名店LAILAグループのブランチとして2021年にオープンしたお店です。LAILAグループで経験を積まれた鈴木さんがバイヤーを務めており、イギリスやイタリアの不良文化と、そこから派生したドレスウェアやミリタリーウェアを多く扱っている、という印象です。Mukta / Salというお店のバックグラウンドの一つである、「ユース・カルチャーとそこからの脱却」という目線で見た時に、僕たちが普段セレクトしているアイテムでは表現しきれないオリジナル(起源的)なアイテムをたくさん持ってきてもらう予定です。
一番伝えたいことは、ぜひとも僕らのセレクトするアイテムとのミックスを楽しんでほしいということ。現行のドリスはもちろんフィットするだろうし、ボナさんは時代によるシルエットの変化をまじまじと感じられると思う。今季のキコ・コスタディノフのインスピレーションは60年代のイタリア映画からだし、一見全く繋がりのない日本のRANDYやFAFとのミックス感も面白そう。
DJはただ瞬間瞬間を聴いて踊るだけでも楽しい。でも前後の文脈に沿うように、その曲とその曲合わせるんだ!って基礎知識や流れへの理解があった上での驚きはなお楽しいと思う。
僕たちはDJとして今週末も楽しませますよ〜。
以下、発起人である宮崎からのコメントです。
確か2019年。当時古着からは何となく遠ざかってた頃、
UNDERCOVERのセールスのケンジくんからDE CHIRICOのカールを紹介してもらった。
めちゃくちゃいい奴、ちょっとシャイで、私のしょうもないボケにもツッコんでくれる。
話を聞くと、LAILAで働いているとのこと。我々の業界じゃ知らない人はいない。
本当に素晴らしいヴィンテージショップで、それをきっかけに彼が働いている店に東京出張の度によく遊びに行くようになった。その後は毎度朝まで飲んだりして。
そんな彼が、店長兼バイヤーを務めるDE CHIRICO(デ・キリコ)というお店が2021年末に南青山にオープンした。
ちょうどMuktaでもC.P.COMPANYやDRIES VAN NOTENを取り扱いさせていただく少し前か同じぐらいのタイミング。
彼のおかけでC.P.やDRIES、アルマーニなどにどんどんハマって行くことになる。(沢山お金使いました)
先日POPUPを開催していただいた下北沢のMUや、今回のDE CHIRICOは、バイヤーの個性と編集能力が抜群で、お店を見てバイヤーの個性、スタイルが見える数少ないお店だと思っている。
驚くほどのファッションに対する情熱を持つ彼のお店と、こうやってPOPUPをさせていただくことは、個人的にも本当に嬉しい。
宮崎
DE CHIRICO in Mukta /Sal
5.18(Sat) - 5.20(Mon)
12:00 - 19:00
DE CHIRICO:
2021年11月ヴィンテージショップLAILAからメンズ部門が独立し、DE CHIRICO(キリコ)が青山にオープン。
イギリスやイタリアン・ヴィンテージを主軸としたデザイナーズやローカルメーカーなどユニークなクリエイションを提案している。
イタイタイコウ