2025.06.18
Diary 139 - 遊び心
Diary 139 - 遊び心

遊び心のある大人に憧れたこと、ありませんか?
自分が面白い、楽しいと思うこと、喜びを感じること、遊び心を真っ直ぐに突き詰めている人の作り出すものには、強烈に人を惹きつける力があります。ファッション、映画、建築、アート、音楽、何にしたって同じで、魅力的なモノやコトを生み出す動機は意外とシンプルで、みんなが一度は考えたことがあるようなことなんだと思うんです。いつか見たアニメーション監督の宮崎駿監督のドキュメンタリーで、監督が窓から街並みを見ているとき、自分が建物から建物へ走り渡ることを想像する。そんな想像がアニメーションになるという話をしていたことを今でも鮮明に覚えています。僕も同じ遊び心ある想像をしたことがありましたが、今はまだアニメーション映画は制作していません。

シルバー箔プリントのデニムジャケットに、Octia。足元はグレーのアーガイルソックスにグレーのミシマで、色味を統一。襟立てなんかしちゃいたくなる男らしい雰囲気に、ホワイトが爽やかさを添えてくれる。

生成りの裏地がとっても可愛いので、裏返しても着ちゃいたい。ヘルムート・ラングバイブスなカラーリング。
すぐに映画は作れないですが、僕らの遊び心ある想像を形にしてくれたモノを実際に試してみることは出来ます。そんなチャレンジを通して、未完成な僕らも遊び心ある大人になっていけるんじゃないかなと思います。





このensou.のデニムジャケット、ジーンズは共に、ステッチは途中で消え、あるはずの片ポケットは消しゴムで消されたように消失しています。クラシックなスタイルはなりを潜め、未完成の美学を感じます。パンツの右ポケットの部分には、ピスタブを模したブランドロゴ刺繍。有名すぎるアイコンをもじって、その名もBig-E 4Pkt Jeans。なんとも皮肉。ヴィンテージではありえないこの生地を、今季はウォッシュをかけて履き込んだように箔が剥がれています。この生地もまた、汚れていい白に違いないです。


日本人で初めてエベレストに登頂した冒険家植村直己氏の生涯で冒険によって移動した総距離は620000km。過去に登頂した山々の名前がシルバー箔でプリンティングされたensou.のデニムジャケット、デニムパンツ。
未完成なディテールと、遊び心たっぷりのプリンティングは、まさに僕たちみたいじゃないかと感じています。冒険みたいに、遊び心ある想像して色んなことにチャレンジする友達になってくれるデニム。未完成な僕らに必要なのは、シルバー箔のプリントみたいなもの。
ヨシダユウキ


