Diary 156 - いつも通り
Diary 156 - いつも通りやっほーです。イタイです。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。僕はといえば、案外夏にやられずに、毎日を楽しく過ごしています。
お店の方はというと、実は少しずつ新しいシーズンへと移行しつつあります。ここ数シーズン、どちらかというとオン・タイムで着られるものを店頭に並べて、良きタイミングでシーズンの立ち上がり、という形で新作をまとめてリリースしていたのですが、なんだかその少し大袈裟なやり方も自分の中での流行りが終わってしまいました。
ということで、新作は出したい時に出しますし、着たい時に着ます。季節の旬みたいなものはある程度重んじているけれど、夏だろうが冬だろうがカッコいいものはいつだってカッコいいし、美しいものはいつだって美しい。面白いものはいつだって面白いし、そんなモノたちにいつだってワクワクする。自分にとってはいつだってリアル。
365日いつお店に来てもらっても、昼に来ようが夜に来ようが、僕たちは自信を持ってまさにいま提案したいものをいつも通りに提案している。それは新作かもしれないし、過去作かもしれないけれど、幸い僕が選ぶモノは賞味期限があまり関係ないように感じるものばかりだから、いつ見てもいつ着ても心にときめくものがあってなんだかホッとする。さて、真夏に届いた、特に夏らしくもなんともない服。夏らしい涼しげな服や柄めいた服も大好きだけれど、そういう服ばかり着ているとなんだかアホになった気がして、週2~3回は真夏でも夏らしくもなんともない、キリッとした服を着たくなる。sulvamのサスペンダー・パンツは自分にとってそういう立ち位置になったらいいなあと思って、作ってもらいました。
出したい時に出すとはいえ、メルトン・ウール・コートやレザー・ジャケットみたいにずっしりとしたものは冬のお楽しみということで、特段夏らしいわけではないけれど、アホになりそうな夏を少しだけ引き締めてくれそうな2種類の羽織をお店に並べてみました。今年は半袖短パンで3ヶ月くらい過ごしている人の気持ちを理解するために、できるだけ半袖短パンで過ごしているのですが、電車やバス、店内も、冷房の効いた室内はやっぱ寒いですね。やっぱ羽織はあったほうがいいわ。ほとんど球体に近い羽織り。ノー・カラー、ドルマン・スリーブ、ボタン・レス。シルエットで魅せるミニマルな作り。半纏のような、文字通り羽織り。薄手の尾州ウール、チャコールのグレン・チェック。毛織物という響きがぴったり。でも確かにモードな香りがする、ジャンルが形容できない服。いつも通りのデニムや古着のTシャツ、短パンとスウェットに羽織るだけですっごくキュート。
球体の羽織りと同じグレン・チェック生地のスカーフがドッキングしたようなブルゾン。羽織よりもう少しエレガントな印象。垂らしても、巻いても。正直これらの服作りに感動して、僕にはどちらか1型を選ぶことはできなかった。ドレープの魔術師じゃん、って思った。
新しいシーズンのテーマは"This is a man"。僕は365日ただの男だし、いつだって何も大きくは変わらない。自分が変わらければ変わらないほど、周りが変わっていくのを繊細に感じ取ることができて、僕はただそれを受け入れることができる。だから去年は赤を着ていたとしても今年は青を着るかもしれないし、それは自分自身の変わらない感覚で選択肢を変えただけにすぎない。変わることを恐れるのは、変わらないことに自信がないからだ。細かいことはなんだっていいし、どうだってできる。
ありのままで、いつも通りに僕は僕の好きなモノをマイペースに楽しみたい。sulvam / Haori Jacket, Scarf Blouson
イタイ