Diary 174 - 自分のいる場所

 Diary 174 - 自分のいる場所僕は、今どこにいるんだろう。方向音痴の僕は、携帯を回しながら、マップとにらめっこしながら、未だ自分の居場所を分からずにいる。人生という大きな流れの中で、自分の現在地点を考えてしまう。

僕は、山の麓で生まれた。だから子どもの頃はよく山登りに行っていて、山の方が北だよ、っていうふうに、山を見ながら向かうべき方角を覚えた。そのように育った僕は山を見る度に、自分はここにいるんだって感じられるような安心感と、原点に立ち戻ることが出来る、そんな、師に会うような感覚を覚える。

この前、控えめで洒落たお客さんとRierについて、話をしていました。Rierを悩んでいた彼は長野県出身で、山に囲まれた町で育ったということだった。僕が以前、長野県に行った時に雄大な山々に圧倒された。と同時にやっぱり自分はここにいるんだって、山々を見て、なぜか安心できたって、そういう話。山を見て安心する感覚、原点に立ち戻る感覚を彼と共有する中で、なんとなくRierは山みたいなブランドだなあと思った。

イタリア北部、アルプス地方の南チロルで育ったアンドレアス・シュタイナー。彼は、長野や大阪とは比べものにはならないほど険しい、アルプスの山々に囲まれた、夏でも雪が降るような場所で生活をしていた。"山用の服を着て、飛行機でパリに飛び、そのままディナーに行くというアイデアが気に入りました。”とAnother Magazineのインタビューで語っている通り、南チロルに加えて、ミラノ、ロンドン、そしてパリでの生活を経験した彼は、自分の現在地点を指し示すように、故郷の南チロルと各都市をシームレスに繋ぐ、実用性と上品さを兼ね備えたウェアを提案している。

がばっと被れるルーズなハーフジップ、フーディー。背中には、雪にふられても、雨にふられても乾かすのには困らない、大きめのハンガーループ。
ブランケットみたいな巻きスカート。背面がゴムウエスト。
ストンと落ちるストレートシルエットのイージーパンツ。お尻にコンパクトなパッチポケット。
フリースの出番はさすがにまだ先だ。だけど、このRierのフリースが自分のクローゼットにあるということはあなたにとっての山みたいなもの、になるんじゃないかと思う。自分の居場所を示してくれる。

僕らは神戸の山々を見上げ、今日もここにいるんだって感じる。

 https://mukta.jp/collections/rier

ヨシダユウキ

長野の山。

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