Diary 159 - ガラスに映るモダニズム

Diary 159 - ガラスに映るモダニズム

ある休みの日、電車に乗りながらふと景色を見ていると、ガラス張りのビルに反射した日光が僕の目に差し込んできた。隅から隅までガラス張りの高層ビル。最近では、そこかしこに立ち並んでいますよね。

そんなビルを見た時、ミース・ファン・デル・ローエというドイツの建築家の「フリードリヒ通り高層ビル計画」のことを思い出す。

ル・コルビュジエやフランク・ロイド・ライトと並び、モダニズム建築の三大巨匠の1人で、1921年のベルリンのフリードリヒ街のオフィスビルのコンペティションに出した案が、ガラスと鉄骨で構成された高層ビルでした。

当時のベルリンの街は、様々な建築様式が入り混じっていたらしく、高層の建築物を建てるとなった時に、どんな様式が良いかの議論をしていたそうです。ゴシック様式がいいのか、アールデコ様式が良いのか。その中で、ミース・ファン・デル・ローエは景色を鏡写しするガラスの建築はどんな様式にも溶け込むということで、ガラス張りのビルを提案したそうです。

モダニズムは、装飾を排し、ミニマルでありながら、機能性、合理性を追求する。その結果、どんな時代のどんな街並みにも調和するものが生み出されてきたんだと思います。

マノロのブルーシャツに、ドリスの変態丈ショーツ。これだけ短いパンツを履いた日には、ニットにシャツくらいクラシックなスタイルで。
真っ白のoctaに、ボーダーのカットソーをチラ見せ。ブラックからホワイトの濃淡でまとめるのが、マイフェイバリットスタイル。足元はもちろんミシマ
extreme cashmereのAries。以前少しご紹介したのですが、まだまだ足りず、改めて筆を取っています。上質なコットンカシミアを使用したロングスリーブTシャツで、ルーズなフィット感、長めの袖丈は着る人によって、様々な見え方をする。好みのフィット感で、シャツを着るのも良し、カットソーを着るのも良し、タンクトップに重ねてズルッと着るのも良いですよ。

extreme cashmereは、サイズ展開のない、カシミアという素材にとことんこだわった姿勢、ナチュラルなカラーパレットはミニマルで長く愛され、みんなのクローゼットにすっと入り込む、まさにモダンなブランドだと思うんです。

モダンな洋服とは、簡素でありながら、様々な人にフィットする、どんなクローゼットにも溶け込む。そんな洋服なんだと思います。

extreme cashmere / N°347 Aries

強い日差しが、ビルに跳ね返り、あなたに届いた時は、モダンなロンTを思い出してください。

ヨシダユウキ

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