RANRA
休符、というものがある。
昔からどうして休符みたいなものがあるのだろうと、いつも不思議に思っていた。
ウン、ウン、数える意味あるの?
音楽の授業で休符を描く練習をさせられたことは、未だにネに持っている。
ファッションにおける休符というのは僕にとってはデザインが無い、という事ではなさそうだ。
どうしてこの服がこんなに値段がするんだろうか。どうしてこのディテールなのだろうか。デザインの強弱というよりかは、理解に時間がかかる洋服、それは恐らく身に纏ったときの余韻が長い洋服のことだと思う、尚且つその余韻を自分の空想や思い出と重ね合わせながら楽しめる、そういうものが休符みたいなもののような気がする。
今になって、ようやく、少しだけ理解しつつある。
あれは休符という音なのだろう。音符と休符は同じ身分だ。
休符が存在することでその曲はより豊かになる。
メリハリがつく。曲の聴き手は休符の間、音が鳴らないということを味わう。
音は止んでいるのではない、止めているのだ。
Arnar Mar Jonsson 改め、RANRA Studioとその名前を変えリローンチ。
ますますテクニカルとは程遠いコレクションを作っている。正確に言えば、テクニカルなんだけれども、人の手の温かみを残したモノづくり、というと大袈裟かも、なんだろう、馴染みのあるモノづくりのほうが正確かもしれない。
彼らはただ名前を変えただけではなく、個人名ではなく以前の法人名だったRANRAをブランド名に冠することで、一個人としてのデザイナーズウェアではなく、レーベルとして、より現代的なプロダクトを世に発信したいという意思表示を行っているのだ。マルジェラが一人称を「We」としていたことに近い匿名性と集団性を感じる。
その姿勢が如実に表れていたSalomonとのローテク・コラボレーション・シューズは早々に姿を消した。(ベージュの28.5cmサイズだけ一足残ってます。)
その一方で洋服の動きがゆっくりなことが嬉しい。今シーズン、オンラインストアで写真を見ただけで買える人はよっぽど目が肥えている人だと思う。
早い人は反応してくれているけど、パンツとかはまだ在庫に余裕があります。
改めて紹介します。無くなる前に、取り急ぎ。
イタイタイコウ
Check RANRA AW22 Collection
https://mukta.jp/collections/arnar-mar-jonsson