Diary 117 - 違和感のチューニング
Diary 117 - 違和感のチューニング
最近また鍼に行きはじめた。
お世話になっている神戸の鍼灸院でやってもらっているのは電気鍼。ツボに刺した髪の毛ぐらいの細さの鍼を電極にして低周波の電気を流すのだが、初めてやったときそれはまぁ恐ろしかった。しかもそこに流す電流は強ければ効くというものでもないそうで、少し刺激を感じるぐらい、と自分の体感を元に電流が調整されるので、施術中、なんなら施術後もしばらくは半信半疑。だが翌朝には疑ったことが恥ずかしくなるほど頭も体も軽い、充実した目覚めが待っているというのが週末の楽しみのひとつだ。
LES SIX CHAOS SHIRT TYPE:A
レシスのシャツはなんとも変だ。ハンガーにかかっている姿でも見るからに変だし、自分には刺激が強すぎるかなと思う人が多いだろう。実際店頭でもそんな声は少なからずあるんだけど、そんな人に「このシャツはなんですか?」と聞かれれば、自分は少しニヤニヤしながら「ボタンダウンシャツです」と答える。
前面にドッキングされたボタンダウンシャツは逆さま。裾にも襟、横からはみ出るスリーブは巻いたり垂らしたりと、羽織のシャツとしてもこの一枚でしかできない動きやアレンジは、純粋に着るという行為が楽しいことを再認識させてくれる。
初めてこのシャツが店頭に届いた時、最終の仕上がりはどうなるか聞いてなかったのもあり僕の感想もきっとあなたと同じ「なんじゃこりゃ」。どうやって着るねんの戸惑いと、どうやって着ようのワクワクが入り混じってた感じだったと思う。だがそれは連想ゲームのように、ボタンダウンシャツといえばブルックスやラルフを思い浮かべること、そしてパーソナルな部分で自分のファッションの根っこがアメリカ古着にあることから、このシャツってアメカジじゃないかと思うようになってからは、説明するのもより楽しい一着になった。強かった刺激が自分仕様にチューニングされたのだろう。
20代前半の自分ならボロボロのTシャツやデニム、くたびれたコンバースで合わせていたであろうスタイルも新しいものに置き換えられる。Tシャツはヴィム・ベンダースの映画T、パンツはオマールの細畝フレアコーデュロイを西海岸のノリで、スニーカーは現代版コンバースと解釈したサロモンの定番。
チューニングされた違和感は充実した体験へとつながる新しい刺激。
レシスのシャツ、そして鍼をお試しあれ。
ROBIN
ガブリエラのリネンショーツにスイコックサンダルでリゾート的に。夏も待ち遠しい。
これからもよろしくです宋鍼灸院。