Diary 146 - 続・ファッションは軌道を描くのか。

Diary 146 - 続・ファッションは軌道を描くのか。前回のブログで、長々とアートをキュレーションするとは何だろう、同じことがファッションでも出来るのか、起こりえるのかということを書いてきた。そもそもアート、ファッション、写真集などのアートブックに触れたことがある人はどのくらいいるのだろう。

そこまで多くはないと思う。自分自身は、特に写真集が好きで、本屋に行ってはちょこちょこ集めている。アートブックと言うと、ハードルみたいなものを感じてしまうかもしれないが、そんな大袈裟なことではない。今気分なものとして洋服や音楽と同じように、現在進行形の自分をちょっぴり幸せにしてくれるものだ。

『198201111959』というZINEがある。『FREE MAGAZINE』の編集長を務めていた山崎潤祐氏が新しくスタートさせたインディペンデントマガジン。写真と共に、インタビューを中心とした本編に加え、3冊の写真集がセットになっている。第7号は2022年10月、韓国・梨泰院で発生した悲劇。愛着のある街での事故に心を痛めたSo Young Kimが追悼の意を込めて制作したのが、ハートの型押し加工を施した「ITAEWON」ベースボー ルキャップ。彼や友人たちが撮影した写真とともに、事件当時の様子を振り返ります。その他、東京で発表されたkudos/sodukのファッションショーの様子、ソウルを拠点に活動する ceimou(セイモウ)のファッションフォト、COSMIC WONDER前田征紀やアーティスト James Merry(ジェイムス・メリー)のインタビューを掲載しています。 

本号でも本編とは別に、写真集を3冊制作。

ベルギー・アントワープが生んだ伝説的デザイナー、Lieve Van Gorp(リーヴ・ヴァン・ゴルプ) のコレクション。ファッション界から引退してしまった彼女の代表作の数々を、写真家濱田大輔氏が撮影をした写真集。

フランス・パリを拠点に活動する写真家Marcelo Gomes(マルセロ・ゴ メス)の写真集。

ファッションデザイナーでありアーティスト活動を続けるGosha Rubchinskiy (ゴーシャ・ラブチンスキー)による写真集。

198201111595 / 202112 Vol.7

参加しているアーティストも様々で、著名な写真家、ファションデザイナーなど。最近写真家のことを知った、復活のニュースを聞いた、理由はなんでもいいと思う。良い音楽、良い洋服が毎日に彩りを与えてくれるように、良い写真は日常のふとした瞬間をキラキラ輝かせてくれるし、良い文章は普段耳にする言葉に新しい視点をもたらしてくれる。

ZINEは日常をちょっと豊かにするヒントが、ぎゅっと詰め込まれたものだ。作り手はどんな方法できっかけを提供してもいい、どんな形であれ、きっかけになれば良いのだと思う。

 

そんなZINEの素晴らしい世界を伝えるために、本を通してインディペンデントなスタイルを発信する「フロットサム ブックス (flotsam books) 」が、日本全国から作品を集めて販売する。

(2022.9.14 HOUYHNHNMより)

2022年にスタートした「フロットサム ブックス(flotsam books)」の企画としてスタート。有名無名問わず、全国から個性的(すぎる)なZINEを集めて展示&販売をするイベントは、フイナムでこんな形あんな形で取材をさせてもらい、開催ごとにその盛り上がりは増すばかり。

そして今年も『flotsam zines tour 2025』と題し、6月13日(金)より全国16箇所を巡るツアーがスタート。

(2025.6.10 HOUYHNHNMより)

個性豊かで、自由なZINEがたくさん集まる。見慣れたZINEの形のものから、これはZINEなのか?みたいなものまで様々。ZIINEは洋服や音楽と一緒だと言った通り、見てくれた人の今の気分で選んじゃって良いと思う。かっこいい形をしたジャケットから何を模したのか分からないデザインのプリントTがあるように、ZINEにも色んな形がある方が面白い。

 

ヨシダユウキ

FLOTSAM ZINES TOUR 2025 at Mukta / Sal

6/28(土) - 6/29(月) 
13:00 - 19:00

at Mukta
神戸市中央区加納町2-3-7-103

この度Mukta / Salでは東京・代田橋の書店FLOTSAM BOOKSによる企画展 「FLOTSAM ZINES TOUR 2025」を開催いたします。

本企画では、1年以内制作、販売価格3,000円以内、レターパックに入るサイズ以外の制限を設けず、参加費なしで募集を実施。 あえてセレクトや審査を行わないことで、zineが本来持つ魅力である巧拙やジャンルを超えた、雑多で実験的なスタイルを体現する作品発表の場を提供します。

約150組を超える作家たちによるオリジナルのzineが日本全国から集い、インディペンデントなアートブックシーンを体感することができる機会となっています。

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