Diary 270 - フリースの、その先。

Diary 270 - フリースの、その先。

いよいよこの服について触れる時がきた。先行して店頭やSNSでは触れていたあれです。

10月も終盤ですしね。オクトーバー、オクト、オクトパスってね。怒られそうな安直さですが、これくらいラフに楽しんで欲しい気持ちを前のめりに、こちらを今日はご紹介します。

メンズウェアの価値観を再定義することに挑戦している僕たちの26AW。スーツ、ミリタリー、ワークウェアなど、もともとは明確な目的を持って生まれた洋服が、時代とともにその役割を変え、ファッションとして新しい価値を持つようになっていること。王道をどのように自分らしく、そしてフレッシュに楽しめるのかを再考している中、秋冬の男らしいアウターにはフリースジャケットもあるよなって。

フリースとなると真っ先に思い浮かべるのはパタゴニアとか、ギリギリ平成生まれな自分にとっては、もはやユニクロも2000年ぐらいに一世風靡していたのも良く覚えている。本来はアウトドアでの機能性を追求して生まれたウェアだが、今ではストリートの実用着としてすっかり定着し、メンズウェアのスタンダードのひとつと言えるんじゃないかと思うようになった。機能的で、合理的で、少し無骨。どちらかといえば飾り気のない佇まいなはずなのに、Penultimateのコレクションの中では、決してそうではなかったこの一着を、Mukta / Salのために特別な5色を製作してもらった。

モヘア混のボアフリースをボディに、インラインとは色を替えてもらったフロントの、大胆に足が伸びたオクトパストイ。ベルベットで切り替えられたネックとポケット、手書きのような可愛らしいテンセルチェックをライニングとポケットの袋布に。でっかく着て欲しくて全てワンサイズオンリー。カラーはBlack, Ash, Sand, Teddy, Ghostの5色、全て一点のみという贅沢仕様。

さて、ここで改めてPenultimateに改めて触れてオクト、

デザイナーのXiang Gao(シャン・ガオ)は、ニューヨークのパーソンズが出身校。Raf Simons率いるCalvin Klein 205W39NYCでニットウェアのデザインを経験した背景が軸にある。彼女のクリエイションの根底でずっと変わらないものがある。それは1970年代のアメリカで活躍した中国系アーティスト、Kaisik Wongの存在。衣服を単なる装いではなく、身体を通して表現するアートとして捉えた、いわゆる「Wearable Art(身に纏うアート)」の先駆者だが、そんな彼の自由な創作精神に影響を受けた彼女が作る洋服は、どこか奇妙で、ユーモラスで、時に大胆。この人の脳内は一体どうなってるんだろうかと、本当に想像もつかないデザインに今までも驚かされっぱなしだ。最近では、街中に捨てられた椅子やソファ、はたまた農業や労働を題材にしたりと、一見すると脈絡のないテーマだけど、共通しているのは、ありふれたものの価値を別の角度から見直す姿勢。今回の26AWコレクションも、超リアルな魚がプリントされたクッションをみて、人が求めるものは本物か、それとも本物のような偽物か、リアルとアンリアルを移ろうコレクションを作ったり(ここでオクトパスが登場する)。誰かが作った名もなきものからも美しさを見出し、それらを独自の感性で洋服へと落とし込んでいる。その存在感から突拍子もなく見える表現も、不思議と日常着として成立してしまう。

アートとファッション、その境界を軽やかに行き来するバランス感覚こそが、Penultimateの魅力だ。

アウトドアからストリートへ。そして、ストリートからWearable Artへ。すでに見慣れた洋服も、視点を変えればまだまだ新しい可能性がある。

そんなことを、素直に楽しんでもらえたらいいなと思う。

Penultimate、そしてこの特別なフリースは当店だけでご覧いただけます。
ぜひ週末、その他豊富な新入荷と合わせてお楽しみください。

吉國

Penultimate / Exclusive Octopus Fleece Jacket - Black, Ash, Teddy, Sand, Ghost

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