Diary 259 - シワの数だけ

Diary 259 - シワの数だけ

クシャクシャに曲がった自分のタバコを見るたびに、次元大介を思い出します。

クシャクシャに曲がったのは、ソフトケースだからかな。それともポケットに雑に突っ込んでいるからか。いや、小銭や札と一緒に押し込まれて、ああなったのかもしれない。なんていう想像までしてしまう。

そんな、無骨でラフな所作とは裏腹に、髭をたくわえ、深くハットを被り、細身のスーツを着こなすナイスガイ。そのギャップがたまらなくセクシーですよね。

次元のタバコで癖や動作、性格がにじみ出てるように、普段身につけているものには、その人らしさが確かに宿るのだと思うようになりました。

さて。COMME des GARÇONS SHIRTから、ポリエステル素材に縮絨が施された、いわゆるポリ縮のシャツとショーツが届きました。シャツは、フォーエバーでいうところのナロークラシックとワイドクラシックの二型。パンツは、タックの入ったワイドなショーツでネイビーとカーキの二色。

COMME des GARÇONS SHIRTは、コットンポプリン素材のクラシックなシャツを軸に、長く変わらないフォーマットを続けています。そこに、縮絨という崩しの技法を持ち込むことで、安定していたクラシックな衣服をクシャっと歪ませているわけです。

縮絨とはそもそも、ウールなどの生地に圧力や熱、水分を加えることで繊維を絡ませ、目を詰まらせる加工のことをいいます。そして、生地の段階でその加工を終えてた後に、パターン通り縫製されるのですが、COMME des GARÇONSは、完成した服にあえて縮絨をかけることで、予測できない歪みや縮み、パッカリングを発生させます。そうすることで、服は本来あるべき均整の取れた形から、ねじれやシワが加わった不均一な形へと、あえて仕上げているのです。


COMME des GARÇONSが長年提案してきた縮絨という技法。この手法は、1990年代のコレクションで強いインパクトを残し、以降ブランドのアイコン的技法として定着しました。それは、このブランドの思想そのものに深く関わるような、非常に象徴的なものだと僕は思っています。

本来、洋服にできたシワは消すべきものとして扱われています。シワはアイロンで伸ばされ、整えられてこそ美しいという認識があります。だから、この洋服が届いた時に、ロビンさんが何度もスチーマーを片手に悩んでいたのはおもしろかったな。

COMME des GARÇONS SHIRTの縮絨シリーズは美しさの価値観をがらっと裏返してしまうパワーと魅力を感じさせられます。さらに、僕たちがそれを着て洗いを繰り返すことで、シワが増えていき、自分らしくなっていくのも、この洋服のおもしろいところ。

COMME des GARÇONS SHIRTは、僕たちが過ごす時間とともに、変わり続けていくような服を作っているのだと思います。

それを着た僕たちの癖や動作でついたシワも、パスタのソースがおちたシミも、どこでついたかもわからない汚れなんかも。その数だけ僕たちらしく歩んだ証。

僕はそんな洋服をとっても美しいと思います。COMME DES GARÇONS SHIRT / GARMENT TREATED SHIRT & SHORTS

パステルカラーのTシャツやストライプのショーツなど他にも色々届きました。

是非店頭でお楽しみください。

ウツミ

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