Diary 242 - 飾らない美しさ
Diary 242 - 飾らない美しさ
こんにちは。
数年前、僕はあるアーティストに依頼して、鼻に着けるジュエリーを制作してもらいました。自分の鼻の形を石膏でとるので、自分の鼻にしか着用できない、自分だけのジュエリー。
装飾品というよりアート作品を身に着ける感覚でした。なにより、当時の自分を表現するには、どんな言葉を使って話すよりも、どんなお洋服を着ることよりも、鼻のジュエリーを日常的に着用することの方が、僕にとっては最短で、正確で、最高の表現方法でした。
使う頻度はめっきり減ってしまったけど、今も尚、僕のワードローブと心には褪せることなく輝くジュエリーです。

さて、先日ヨシダくんが紹介してくれたRIERの新作。相変わらずRIERの作る洋服の美しさに惚れ惚れしながら、僕は一番気になったジュエリーのご紹介。
このブローチとブレスレットは、鞭や紐をモチーフにしていて、織物のように編み込まれたデザインが特徴的。あえて磨き込まない表面のくすみ感、有機的なフォルムをした無機物のジュエリー。他のジュエリーにはない、クラフトの温かさや生っぽさがあります。


パリ在住のジュエリー・アーティストZoe Mohmによって、RIERの為に制作されたアクセサリー。フランス人の父とカンボジア人の母を持つZoe Mohmは、母の故郷であるカンボジアの手工芸品に魅力され、ベルギーのラ・カンブル美術学校で、織物や刺繍などの工芸技術を習得後、(ちなみに、Dries Van Notenのデザイナー、ジュリアン・クロスナーもこの学校の卒業生)現在はパリのアトリエで、一つ一つ手作業でジュエリーを制作しています。
RIERとZoe Mohmは、歴史や背景、手仕事の尊重や素材への拘りを持ってモノ作りをしている。
Zoe Mohmの作るジュエリーは、単なる装飾品でもなく、トレンドのアクセサリーでもない。装飾として何かを誇張するのではなく、身に着ける人の生活や所作の中に静かに、力強く入り込んでくれる。このブローチとブレスレットは、そんな飾らない美しさを感じる。
今の僕には、高級車や18金のネックレス、ロレックスも必要ではないんです。もちろん、それらが美しいことも、価値があることも十分理解しています。それよりも、僕が惹かれるものは、一目だといまいち価値がよく分からないものだけど、身に着ければ、僕たちの生活や所作とともに美しく完成されていくジュエリー。
ピッカピカのダイヤやゴールドじゃなくっても、このブローチとブレスレットは、僕たちの日常やファッション、心までを、飾らず美しく仕上げてくれる。だから、いつもの自分にそっと足してあげるだけ。
まずは店頭で、そして日常に。是非着けてみてくださいね。
ウツミ





