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sulvam / ALOHA SHIRT (PNK/SAX)

思い着る

また緊急事態が延びてしまった。
大変な時期だとはわかっていても行きつけのご飯屋にも行けない、ましてや夏ももうすぐなのに旅行なんて当面考えられないだろうから、気分だけでも明るくなれるように、と季節的にも最高な一枚をやっとおろした。

迷彩と花束を同居させたオリジナルカモフラージュ。

コロナ禍で初めてデザインされた21SSコレクションは、「服を、ファッションを通じて世界中の人々が前を向いて歩いて欲しい」と、
テーマというより、デザイナーからのまっすぐなメッセージをのせたものであり、それを象徴する1つのキーアイテムとしてあるこの総柄に、僕は心奪われた。

Black Lives Matterを機にデモで衝突し合う市民と軍、3.11の被災者を自衛隊が救助する様。
カモ柄(ミリタリー)のもつ真逆ともとれるこの二面性を、美しいと捉えたデザイナーの素直な感情が表現されている。

全ての人が前向きにと幸福を表すPINKと、医療従事者への感謝を捧げるSAXの２色のカラーベースに、風呂敷に使われるちりめんのような日本的背景も窺えるしなやかなボディ。色気のある開襟や、バイアスになった袖ぐりなどsulvamならではのパターン使いが品を漂わせている。

総柄シャツを目にするや否やチンピラみたい、と自分が着る可能性を排除してしまうあなたや、
総柄の派手さだけでつい手を伸ばしてしまうあなたにも、この思いを共有したい。

ただ、重く捉えないで欲しい。
それを軽く着れてしまうのがsulvam流のアロハだから。

さて、今年はどんな夏にしようか。

robin

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