Wales Bonner

新作のデリバリーも終盤。徐々に出揃った店内を見渡して、今シーズンも自分たちがやるべきことをできているのではないか、と安心して胸を撫で下ろす。"This is a Man"というテーマを我々なりに設定して臨んだ今シーズン。今、Mukta / Salにおいて表現したい男性像やファッションとしてのスタイルをテーマに込め、セレクトしたアイテムが今お店に並んでいる。今の時代、当たり前のことをいかに当たり前にするか、ということが問われている気がしてならない。その中でファッション、という日常であり非日常にもなりうるコンテンツを扱って生活している立場として、どんなことを当たり前にやらないといけないか、やらないべきか、ということを日々模索している。

その一つとして、服屋は文化の入り口である、ということを強く意識している。フィジカルな購買体験を通じて、過去の文化に触れ、現代の生活の機微に敏感になり、未来の様式を創りあげていく。大袈裟に聞こえるかもしれないが、文化的な生活が人間の営みに不可欠である、と憲法に規定されているように、人間の欲求は文化に紐づかざるを得ない仕組みになっている。その、一助になりうるのが服屋という存在である、とまあ、こういうふうに思っている。特にMukta / Salというパブリックに開かれているスペースは、ゆりかごから墓場まで、ではないが、その入り口的な側面と、そこから成熟していく過程を体験できる場所の提供、という二つの役割を担っている。

さて、今週末より待ち侘びていた新作コレクションをお披露目します。フロム・ロンドン、Wales Bonnerの新しいコレクション。昨日ご紹介したタキシード・ジャケット、お店に並んでから時間が経った今もビンビンにカッコいいですが、新作と合わせてご覧いただけるとなおその凄まじさが感じられるのではないかと思います。今回はアウターウェアを中心に、昨シーズンに引き続いてジュエリー、シューズ、男らしいワークパンツ、をオーダーしました。フェイスは少ないですが、どれも知性と文化を感じられる一級品のピースです。

先のメットガラでも共同オーナーを務め、インディペンデントな存在と言えなくなってきたウェールズ・ボナーですが、彼女の素晴らしいところは商業と文化のバランスだと思います。それはもしかしたらドリス・ヴァン・ノッテンにも通ずる部分かもしれません。今月末にはアディダスとの協業コレクションもリリース予定です。

すっかり秋模様、ということで、僭越ながら。一日ベッドの上でYoutubeとUber Eatsの日も楽しいですが、今週はぜひ文化的な週末をお楽しみください。

Wales Bonner New Collection
10.18(Fri) 13:00~ In Store.

イタイ

 

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