Diary 225 - 遊び心

Diary 225 - 遊び心D.D. Shell - 独自の染色技術を用いた発色の良い、けれど奥行きのある、半透明な7デニールのナイロンシェル。マイクロリップストップナイロンとダイレクトダウンインジェクション製法を組み合わせることで、より柔らかい着心地と軽さを実現している。極薄の7デニールのナイロンは、中に詰められたダウンの動きが目で見て分かるほど。とっても軽くてあったかい。

 

C.P. CompanyのD.D. Shell Hooded Down Jacket。軽量で薄手のリップストップナイロン生地、ダックダウン入り。この冬間違いなく、このジャケットを手放せなくなるだろう。色鮮やかなオレンジ、ライトグリーンと渋めのカーキの3色。冬にこそ色物が欲しくなるもの。

正直、僕はダウンジャケットをあまり着てこなかった。ドレスウェアを好んできた自分にとって、ダウンジャケットはどちらかというと機能性を優先したテクニカルなものであり、ファッションとは異なるものであるような気がしていた。

原色のオレンジにブルー、イエローにレッド。いくところまでいききった方が案外カッコよかったりする例。それ以外はオーセンティックに。落ち着いたトーンの合わせも、眼鏡で遊びたい。

けれど、このC.P.COMPANYのダウンジャケットは「ダウンジャケットを目的として作られた」というよりもむしろ、「ダウンを詰めた極薄のナイロンの服にガーメント・ダイを施し、単にナイロンを染めただけとは違う、新しい服、色合いを生み出すこと」を目的にしている。C.P.COMPANYが50年以上にわたり色褪せない価値を生み出し続けるのは、色の魔術師と呼ばれたマッシモ・オスティのレガシーを受け継ぎながら、常に新しいものを生み出すことに心血を注いでいるからだ。

黒かネイビーか、そんなトーンでいいはずなのに、C.P.COMPANYはダウンジャケットですら10色近く展開を作る。それはさながらマノロブラニクやラルフローレンなど、必要か不必要かではなく、ただロマンのためにカラフルなドレスウェアを展開するスーツやレザーシューズの世界と同じものを感じた。僕は、こんなダウンジャケットを着たかったんだ。

ダウンジャケットにアームウォーマー、ダウンジャケットにスカート。カジュアルなイメージが強い分、外すのが楽しい。C.P. Company / D.D. Shell Hooded Down Jacket - Russet Orange , Green Sheen , Fallen Rock

1970年代初頭、グラフィックデザイナーであったマッシモ・オスティ氏によって、立ち上げられたブランド、C.P. Company。ミリタリーウェアやワークウェアなどの膨大なアーカイブを基に、近代スポーツウェアの歴史を築いてきた。オスティ氏は、衣類に関する新しい技術、新しい生地を探求し続け、衣類の本質に迫ろうとしてきた。そんな彼の魂は引き継がれている。C.P. Companyは、過去を尊重しながら今も革新を続けている。

 

この冬、男性的なグレーやブラックのワードローブをベースにしつつも、マノロのニットシャツオマールアフリディのレザーグローブのように、「遊び心のための差し色」を僕たちは大切にしている。だって、高田純次みたいなダンディで遊び心のある大人って素敵じゃないですか。

 

Collection of Diary 225

 

ヨシダユウキ

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