Diary 204 - 経年変化とともに
Diary 204 - 経年変化とともにイタイさんが、その日の気分で靴下を決めているように、僕はタフな男でいたいときにミリタリー・ウェアとかレザー、デニムにしようとか、穏やかで祖母みたいな心でいたいときにニットやスウェットにしようとか、その日ありたい姿になるために、お洋服を選んでいる。
映画:グランド・ブダペスト・ホテルでウィレム・デフォー演じる悪役がバッチバチのレザー・トレンチコートを着ている姿をよく覚えている。プラダが製作を手がけたそのコートに影響されて、ライダースジャケットやレザパンをよく着ていた。その時はウィレム・デフォーに、タフな男に、なった気持ちだった。
僕は、機能的なミリタリー・ウェアだったり、デニム、レザーなんかの、タフで男っぽいお洋服が大好き。古臭いかもしれないけれど、男のDNAみたいなものが確実にあって、心がくすぐられる。
C.P.COMPANYのゴーグル・ジャケットは、そういう男のロマンが詰まっている。しかもアーカイブデザインとは異なる、特別仕様のレザーで。男のロマンに、漢のロマンが足されたような感じ。
ザ・ロンドンスタイル。ドレッド・ヘアに見えるキコのビーニーもおもしろい。
イタリアン・クラシック。
エレガント・スポーツ。
ザ・ファッション・マン?
C.P. COMPANYは、時代と共に変化し続けている。むしろ、進化を続けている。黄金期のアーカイブデザインを引き継ぎつつ、現デザイナーであるポール・ハーヴェイが革新を続けている。
今の時代もまたその次も、経年変化とともに、僕たちは変わり続ける。
よし、今日はレザーを着よう。
ウツミ
80年代にイタリアのクラシックカーレースのスポンサーに就任したC.P. Companyが、ドライバー達に提供したLA MILLE JACKET、通称ミッレミア・ジャケット。当時、フーディに取り付けられたレンズ、左手の袖部分のレンズは、ドライバーの目を保護したり、ハンドルを握っている状態でも、左腕につけた腕時計で時間を確認できるように取り付けられていた。スイス軍のジャケットから着想を得たフロントポケットは、大きく広がるマチがついていて、レースの必需品をたくさん携帯できるようになっている。現代の生活にこの実用性は、オーバースペックでミスマッチかもしれないけど、それほどまでに贅沢でかっこいいジャケット。
C.P. COMPANY / MEDIUM JACKET IN LEATHER
ドライバーが着用しているミッレミア・ジャケット。
C.P. companyの創始者であり、世界で初めてウェアへのガーメント・ダイに成功したマッシモ・オスティ氏。ミリタリーウェアやスポーツウェアなどのアーカイブ収集、研究や実験をする姿は、まさにファッションの科学者。