Diary 218 - うねり
Diary 218 - うねり
シーズン感覚を大事にしながら、自分にとっての新しさもお買い物に反映させる。そこには、シーズンの流れに加えて、パーソナルな流れが生まれる。その二つの流れは絡み合ってうねりを生み出し、自分を新しいステージへと押し上げてくれる。それはまるで、服は着ているけど脱皮しているような、そんな感覚。
烏滸がましいことだが、洋服屋として、シーズンの流れを楽しみながら、自分の流れも楽しんでほしい。
洋服の世界は流れが早い。
年に2回、各ブランドが新作を発表し、消費者はそのシーズンでしか手に入れることのできないアイテムを通して、新しい感覚をキャッチすることが出来る。僕もそんな刹那的な感覚の面白さに魅せられた一人だ。
ただ、そんなファッションの時間感覚というX軸とは別に、年齢や環境の変化など、自分の感覚の移り変わりというY軸がある。僕は、この両方の軸をとても大事にしている。

Omar Afridi - Pleated Leather Hoodie。ツヤのあるシープレザー。折り紙のようにランダムに畳んでミシンで叩いたプリーツはフリルのよう。




男性の身体のラインを直線的、女性の身体のラインを曲線的と表現することが多いが、そういう意味で、男性的でもあり、女性的でもある。丸いシルエットは女性らしさを感じ、直線的で荒々しいプリーツからは男性らしさを感じる。折り目という直線によって、作られた曲線的なシルエット。
男の子なら一度は憧れる、レザージャケット。このレザーフーディの場合は女性的なシルエットによって、かえって男らしさが引き出される。スカートを履いていても男らしくありたい、そんな感覚。



このレザーフーディーは、3年前にリリースされたアイテム。だけれども、今も気分。
素敵な洋服にシーズンなんて関係ないと、男として言っておかなければいけないし、ファッションの醍醐味としてシーズンを楽しんでほしいと、服屋として伝えなければいけない。
いま、このフーディーを着ることもThis is a Man。今シーズンは僕も男らしくなりたい。
Omar Afridi / Pleated Leather Hoodie
過去に作られたこのレザーフーディは、うねりを持って、いま店頭に並んでいる。この服をきっかけにあなたの未来の点と点が、曲線でつながったらいいなって思います。
ヨシダユウキ
お気に入りの服も、去年とは異なるムードで。それも醍醐味。
