Diary 200 - Our Essential

Diary 200 - Our Essential私たちに必要不可欠なソックス、それも"ホーズ"に類する、気持ちを凛とさせてくれる少し長めのソックス。見える見えないは関係なく、長くて、適度にフィットがあって、もちろん履き心地が良くて、洗っても洗っても長持ちする、ということが大事なんだ。

朝起きて音楽をかける。それからシャワーを浴びて、余裕があれば朝ごはんを食べる。いざ着替えるというとき、僕はまず初めに、ソックスを選ぶ。ロングホーズかアーガイルソックスか、何色を履くか、その日の気分によって使い分ける。気持ちを引き締めたいときはネイビーのロングホーズや、赤色のアーガイルソックス。さざなみのように平常心でいたい時はチャコールのロングホーズやセメントカラーのアーガイルソックス。少しご機嫌な時は、レモンカラーのロングホーズや若草色のアーガイルソックス。僕の気分は大体靴下で分かる。コットン・シルク混紡糸、単一カラーのトーン・オン・トーン、ハンド・リンキング、ジャガードではなくリブの切り替えでアーガイル柄を表現した、"Smith"。100年近く続く奈良の老舗工場で一足一足、丁寧に作られている。"Smith"という名前は、毛玉だらけのアーガイルソックスを履いたイギリス人のおじさんというイメージ。日本でいう「太郎さん」みたいな名前。よくスパイ映画なんかにエージェント・スミスというキャラクターが出てくるが、あれは名無しの太郎さん、みたいなことだと思う。少し華やかだけれど、履いている自分にしかわからないような親密な特別さ。

あくまでこのソックスは僕の、僕たちのエッセンシャル。いわば自炊みたいなもので、それをお裾分けしている感覚。便宜上お店のオリジナルという看板をつけているが、僕にとって必要不可欠だからという、きわめてパーソナルなものづくり。世の中に良い服屋は数あれど、僕より靴下にこだわっている服屋は多くないと思う。

そんな自分にとって必要不可欠なものが、あなたにとってもそうであれば何より嬉しい。Our Essential Long Hose, Argyle Socks

イタイ

ロンドンを拠点にするStefan Cookeのパートナー、Jakeが週末限定でオープンしているお店、Jake'sで取り扱ってくれている。日本の"Smith"が逆輸入的にロンドンに置いてあるのは面白い。Omar Afridi SS25のルックで使ってくれていた。アーガイル柄はやけにロンドンとの相性がいい。

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