Diary 232 - 不在

Diary 232 - 不在

高校生の頃、ご飯の代わりに映画、寝る代わりに音楽を摂取してきました。マーロンブランド、ジェームスディーン。ヴィンセントギャロにスティーブン・マックイーン。ブラッドピッドは外せないし、トムクルーズは欠かせない。ラモーンズが世界を救ってくれて、セックス・ピストルズが世界を壊してくれた。

挙げ出せばキリがないですが、よく革ジャンを着ていた彼らの姿、彼らのアティテュードに胸を高鳴らせ、恋焦がれてきました。タンクトップにレザージャケット、そしてタバコと酒。革ジャンはカッコいいだけではなく、男のアティテュードまでもをクールに代弁してくれる。

2025年も暮れに近づき、新しい年を迎えようとしているいま、高校生の頃に恋焦がれていたロックスターはもういない。いや前からいないんだけど、今の僕にとっては彼らは目の前にいるというより、ぼやけた輪郭となってうっすらと自分の周りを漂っている。The future is in the past、でも見つけ出すのはいまの自分。過去の文化に敬意を払いつつ、いまの僕に必要なのはいまの革ジャン。カシミアセーターにレザージャケット、iPhone片手にホッピーを飲む。そんなライフスタイルに必要な、革ジャン。Omar Afridiのムートンジャケット。英語表記だとシアリングジャケット、ですが、ムチムチのシープレザーは日本語らしくムートン、と呼びたくなる。ムートンジャケットといえばB-3なんかが代表的ですが、こちらはベルトやシームが極力アンビエントに抑えられたミニマル・デザイン。静かに雄弁に、デザイナーズブランドのハイエンドなムートンジャケット、と何も言わずとも語っております。タンクトップにムートンジャケット、髪をツンツンに立ててブーツで決める、はもう良くないですか。出来るだけヒッピーではないテンションで天然素材の服を纏っている人、おうちは古民家だけど最新の家電を揃えて、もしくは新築のマンションで趣味の良いヴィンテージ家具を揃えて、みたいな合理的かつスマート、ロマンと日常のバランスの取れた人が好きです。

というわけで、アンビエントなムートンジャケットは今っぽいジャストのサイズ感ではなく、野暮ったい大きめのサイズでオーダーしてみました。

ムートンといえばこうでなくては。

Omar Afridi / Mouton Jacket - Black

Collection of Diary 232

ヨシダユウキ

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