Diary 210 - ロマンを感じてならない

Diary 210 - ロマンを感じてならない先日ご紹介したバチバチにかっこいいジャケットに引き続き、とってもロマンティックなコート。

Wales Bonner - Mayfair Coat。背筋が伸びるようなピークドラペル、ドレスな印象を強める共生地のクルミボタンが6つ、ダブルブレスト。ダークグレーというか、ブラウンというか、のメランジカラー、肉厚で柔らかいツイード生地は、程よい扱いやすさとロングコートの美しいドレープ感を保証する。ハンティングや、ホースライディングな土臭さを感じさせながら、上品でエレガントな香り。まるで国産の松茸のよう。ドレスウェアにおいてはスポーティという言葉をよく使う。ツイードのような耐久性に優れた素材は、ハンティングや乗馬といった貴族の嗜み的なスポーツに使用されてきた歴史がある。そんな生地で作られたこのコートは、優しいアルマーニといったような、直線的でありながら心地の良いリラックスシルエット。つまり、ざっくり適当にも、ばっちりドレッシーにも羽織れるコート

適当なスウェットやカシミアのニットパンツのようなスポーティというか、動きやすさを感じるアイテムを合わせることで、過去と現在のスポーティーの概念がシームレスに混じり、拡大していくように感じる。

Wales Bonner / Mayfair Coat - Grey Melange

ロマンティックな洋服とは、その洋服の背景に思いを馳せるとワクワクする洋服のこと。遠い過去、もしくは遠い未来、いずれにせよ自分の居場所と異なる時間軸と今じぶんが立っているこの場所とつながるような気がする洋服のこと。それは自分の人生と過去の文化が繋がる唯一無二の体験だと思う。洋服を買ってもらうとき、少しでもそうやってロマンを感じてもらえればいいなと思うし、そんな瞬間に立ち会えたら何より幸せだ。

Wales Bonnerは洋服を通じて過去の文化と未来への希望を感じられるコレクションを作る。僕はそんなところにロマンを感じてならない。

ヨシダユウキ

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