Diary 193 - どこかとぼけていて憎めない

Diary 193 - どこかとぼけていて憎めないクローゼットの中にお気に入りの洋服たちが並んでいる。新しい洋服が増えていく中で、ずっと色褪せないお気に入り、3年後、5年後も、変わらない温度で好きな洋服がある。単にかっこいい洋服ばかりではない。むしろ、ちょっとだけ短いとか、ちょっとずれているとか、どこかとぼけていて憎めないみたいな、そういう洋服に愛着を感じる。この先も熱々のお気に入りになりそうな、とぼけたパンツが届いた。CLASSのダーツスラックス。サルエルパンツ、エプロンと同じく、上質な生地。仏・DORMEUIL社製の肉厚なダブルフェイスのトニックウールと伊・LYRIA社製のシャリシャリのシャークスキンの2種類。ただ、ウエスト部分に、なんか付いている。あの、パンツハンガーの跡が残らないようにするためにつける、ウレタンの緩衝材みたいなやつが付いている(ちなみに素材は触るとびっくりすると思う)。さらには、ウエストから裾にかけて、センタープレスを交差するように(/ \ /みたいな感じ)3本の斜めに走るダーツ。/のダーツによって、一度パンツをねじり、\のダーツで元に戻す。遠回りしたけど、結果的に普通のテーパードパンツ。

わざわざそんなことする必要はないのに、とてもかっこいい生地を使っているのに、どこか気の抜けたところがある。

ウエストにデザインあるものは短丈を合わせたくなる。丈はすっきり目、大きめのダブルの裾。普通のツラをして、とぼけたフリしてキレキレのスラックス。ギャルソンシャツのスウェットパンツをオン。かっこいいガブリエラのウールシャツに、とぼけたスラックス、ショーツレイヤード。かっこいいマノロのニットシャツに、かっこいいドリスのデニムジャケット。とぼけたスラックス。ライトグレーのパンツにはブラック、ネイビーが僕の定番。

CLASS / Darts Slacks - Grey , Charcoal

このとぼけていて憎めないスラックスは、嚙めば嚙むほどうまいみたいな、履けば履くほど愛着が湧くみたいな、人間みたいなパンツになるんだろうなって思う。カッコつけなくていいし、遠回りするのも味があるってことを教えてくれる。

ヨシダユウキ

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