Diary 194 - 袖の長さはエレガンス

Diary 194 - 袖の長さはエレガンスどうも、イタイです。相も変わらず商品紹介が追いついておりません。スタッフみんなが書いてくれたブログや撮ってくれた写真を僕がことごとく却下してるせいなんですけど。烏滸がましいことに、そのお店として出す、出さないの判断をさせてもらってる中で、あくまで服屋なので、商売としての部分と、商売ではない部分を見極めたいんですよね。まあそんなことはいいか。とにかく、カッコ悪い服はできるだけカッコ良く、カッコ良い服はできるだけカッコ悪く、自分たちが感じたままのことを伝えて、自分たちが知っていることは必要最低限に留めて、いい服をできるだけ丁寧にご紹介できたらなと思っています。ウール・ジャージーのネック・ゲイター、ビーニー、ロングスリーブ。スポーティさ、アウトドア性、ほとばしるエレガンス。

というわけで、予告通りRIERの新作を今日から並べます。その中から、ウール・ジャージーのシリーズ。

いわゆる、リア版ベース・レイヤーというか、ほぼプラダというか、ほぼエルメスというか。リアの心はオーストリア、アルプスの山々にある、ということを改めて感じつつ、とてもいい服だなあと素直に感心します。

袖の長さや着丈の長さは健在。RIERやDRIES VAN NOTENは袖の長さや着丈の長さ、リラックス・フィット、タイト・フィット、つまり、身体と衣服の間にあるスペースを広げたり、狭めたりすることが、いわゆる美しさやモードみたいなものに繋がるということをよく知っているように思います。ストリートではないゆったりとしたエレガンス。

デムナ・ヴァザリアがMMMをはじめとしたシルエットのテクニックをストリートとしてのオーバーサイズ、袖の長さに転用していましたが、バレンシアガ、イッセイミヤケ、コムデギャルソン、エトセトラエトセトラ...本来、身体と衣服の距離感はエレガンスや快適性、人を美しく見せるための余白として使われてきたはずですよね。それをアルプス由来のカジュアル・ウェアとして転用している。うっとりして、ため息が出ちゃうね。先にリリースしていたフリース・ウェアと合わせて、ウール・ジャージー、クロシェ編みのカーディガン、ウールのスラックス、スウェード版長靴で今季は完納です。

リアをリアとして着るのもかっこいいけれど、普通の服とRIER、変な服とRIER、汚い服とRIER。一滴垂らすだけでこんなにも違うんだ、という感覚をぜひ味わってほしい。

着ている人をピンと背筋を伸ばしてくれたり、少しだけ人に親切にできたり、朝10分だけ早く起きようと思わせてくれたり、謙虚になってみたり。それがエレガンスの正体。決して過剰に華やかにしたり、不必要にカッコつけたりするという意味ではない。少しずつ秋めいて快適な気候に移りゆく中で、1滴のエレガンスを心に持っておきたい。

イタイ

P.S.
PRADAの2024FWでも水泳帽みたいなのもありましたよね。あれ買うかすげー悩んだ記憶ある。心斎橋の店舗で試着したら女性の店員さんにお似合いです!って言われて萎えた。むしろ笑って欲しかった。ルック見返してたら、リアの今季のモデルと同じ人でした。

 

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