着飾るということ
こんにちは、こんばんは。
皆さんは最近、着飾っていますか。
着飾る、という言葉はあまり好きではなかったのですが、最近すごくいい言葉だなって、思い始めました。どちらかというと、キザな野郎みたいな、そういうスノッブなやつに使うイメージだったんですよね。でもそれって、カッコよくないやつがカッコつけてるからダサいのであって、ありのままにカッコつけることはそんなに悪くないなって。カッコよくないのって、すぐバレるんですよ。だから、カッコよくないやつがカッコつけてると、「カッコよくないやつがカッコつけてるな」って思うからダサくて。それって自分を隠すためにやってるからだと思ってて。ただ、自分を高めるためにカッコつけるのは、そんなに悪くない営みなんですよね。それが、ありのままにカッコつけること、だと思うんです。
今は美味しいアサリの季節ですけど、美味しいアサリでボンゴレビアンコを作ろうと思ったら、白ワインは入れなくていいんですよね。その代わり、バジルを入れるとアサリの甘さが強調されて、香りが華やかになって、奥行きが出るそうです。新鮮でないアサリは、そのネガティブな臭みを隠すために白ワインがあったほうがいいんですよね。俄知識ですが、そうらしいです。
ありのままカッコつけることと、隠すためにカッコつけること。最近、テーラードジャケットをよく着ています。自分が着飾るっていいな、って思い始めてからは、ずっとテーラードジャケットを着ています。今年の春夏は、たくさん着飾って、ありのままにカッコつけたいな、と思ったので、たくさんのテーラードジャケットを仕入れました。
とはいえ、Mukta / Salはドレスのお店ではなく自由を着るお店なので、カチカチのスーツというよりは、レッドカーペットでしか必要なさそうな大袈裟なブリブリのタキシードから、冠婚葬祭どれにも着ていけなさそうなペラペラのテーラードジャケットまで、知識があってもなくても楽しめそうなラインナップを揃えました。
こんなに多くの人に着られているのに、こんなに誰も着ていない服って面白いですよね。僕が今でも覚えているのは、展示会で東京に出張に行っているさなか、7月か8月かのアスファルトも溶けそうにグズグズになっている原宿と表参道の間の大通りを歩いていて、なぜかこの時代に未だ残っているオアシスのような喫煙所に入ると、涼しい顔で、だけど汗ビッチョリでプラダの白のテーラードジャケットを片手にタバコを吸っている髭面の男性を見て、思わず3度見したことです。この人、このクソ暑いのになんでテーラードジャケット抱えてるんだろうって。ありのままカッコつけていたんだろうと思います。
まずはイントロダクションとして。汗ビッショリで涼しい顔してテーラードジャケットを羽織りませんか。
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