Diary 235 - 混ざり合う色、研ぎ澄まされた線

Diary 235 - 混ざり合う色、研ぎ澄まされた線

Dries Van Noten / Melange Knit - Brown

Dries Van Noten / Tilden Knit - Black

メランジとチルデン。どちらもアルパカ、メリノウール、ナイロンの混紡。同じ素材、同じ"ニット"という枠にありながら、立っている場所はまったく異なる。

Dries Van Noten のメランジニット。2色以上の糸が混ざり合い、名前を持たない色をつくり出すメランジ。その曖昧さは、着る人の気分や感情を、静かに受け止めてくれる。今日は柔らかくいたい。楽しくいたい。落ち着いていたい。色は、淡いブラウン。寒い冬の日を内側から温めてくれる、温度のある色です。

ありのままでいたいけれど、無難では面白くない。そんな揺れ動く感情を曖昧なまま受け止めてくれる洋服は、実は少ない。自分のありのままを肯定し、ほんの少しの非日常を与えてくれる。感情に寄り添うニット。

Dries Van Noten のチルデンニット。チルデンニットは、テニスプレイヤー、ビル・チルデンの名を冠したニット。クラシックなスポーツスタイルの、明確な文法を備えています。曖昧さはなく、揺るがない品格がある。"どう見せたいか"ではなく、"どう在るべきか"を問う洋服。

背筋を伸ばしたい日、静かに自信を持ちたい日。このチルデンニットは意志を映す。


混ざり合う色、研ぎ澄まされた線。
心穏やかでいたい日、感情を委ねたい時のメランジ。
張り切っていたい日、意志を映したい時のチルデン。
どちらも、ありのままの自分。その日の自分に、選ばせてあげたい。

Collection of Diary 235

ヨシダユウキ

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