Diary 108 - たっぷりのユーモアと一本の細いサスペンス
Diary 108 - たっぷりのユーモアと一本の細いサスペンス僕をどこか遠くに連れて行ってくれそうなシンセサイザーと、1分1秒をいつも感じているより少し長く引き伸ばしてくれるようなギターの音色。聞き慣れたアンビエントとフォーク。日常を穏やかにしてくれる音楽。聴き進めていくとダンダンとノイズやコラージュの要素が混ざってきて、最後はまた静寂に戻る。
日常を描くタッチ。コメディが続く中に所々見え隠れする謎。日常的なたっぷりのユーモアと一本の細いサスペンスの糸がぴーんと張っている映画。徐々に露わになっていくその謎は、自分たちを不安にしたかと思えば、また収縮していく。元の場所に戻っていく。暗転してエンド・ロールが始まる。エンド・ロールは元の位置に戻るためのクール・ダウンの時間。このCLASSのスウェット・シャツ & ショーツはご存知の通りみんな大好きなスウェットの中でも、みんなそんなに好きじゃなさそうな半袖と、みんなきっと好きじゃないきわどい丈のショーツ。僕にとってはどちらも馴染みのある大好きなアイテムだけれど、たぶんきっとスウェットの中でもそういうニッチなカテゴリに属していると思う。
それだけではなくて、うんまあ、写真を見てもらえれば説明するまでもないのだけれど、リフレクター糸を用いたフレンチ・テリーのふっくらとしたスウェット生地。これがどれだけぶっ飛んでて意味わかんないことか、たぶんきっと伝わらない。でも伝わらなくていい。このスウェット・シャツ & ショーツはその凄さが伝わらなくとも、日常にたっぷりのユーモアと一本の細いサスペンスをもたらしてくれる。なんかかっこいい写真使いたくなかった。iPhoneの自撮りがリアル。僕はいたって真剣。
誰だってアホだ、ってわかる。作るのも仕入れるのも。でも間違いないのはこのスウェット・シャツ & ショーツがカッコよくてワクワクするから作ってるんだし、仕入れている。前回紹介したCLASSのスーツにも引けを取らない、いやむしろこっちの方が高く感じるまであるんだけど。ヴィンテージ・スウェット・シャツみたいに価値がどんどん上がることもない。だけど、僕はフラッシュを焚かなくても、このスウェット・シャツ & ショーツに光るものを感じたんだから、仕方ない。やっちゃったものは、仕方ない。好きなんだから、仕方ない。グレーのトップスはSold。ショーツはまだあります。キワい丈のショーツ、楽だしテーラード・ジャケットとかシャツとか着ててもなんかアリに見えるから好きなんだよなあ。
静と動。安定と不安定。日常と非日常。僕はゆるーいジェット・コースターに乗りながら、日々一喜一憂、コツコツと毎日を過ごしている。ジェット・コースターは落ちれば一瞬だ。髪の毛がグチャグチャになったって気にしない。よくわからない爽快感だけ残る。
ジェット・コースターには入場券が必要だ。どこか遠くへ連れてってくれそうなそのチケットを、僕は洋服で探している。人によっては食事やお酒かもしれないし、映画や音楽かもしれない。家族かもしれないし、仕事かもしれない。CLASS / Reflector French Terry Sweat Shirts & Shorts ¥174,900-
僕は全部。
イタイ
P.S. 5月のプレイリストを更新しました。フォークやジャズを中心に、第四世界からダブステップまで。ゴールデン・ウィークではやる気持ちを少しおさえて、連休明けの余韻を楽しむエンド・ロールのような音楽を選んでみました。