Dairy 102 - トロトロ

Dairy 102 - トロトロ

こんにちは、ヨシダです。皆さんは洋服の生地について、どのくらい知っていたり、気にしたりしますか?

テーラードの本場イギリスは、雨が多く、曇りがちな天気なことが多いため、英国生地は打ち込みが強い。生地の密度が高く、ハリのある生地だということです。湿気や霧雨に当てられても、負けないハリコシのある生地、芯地や、ショルダーパッドのしっかりしたカチカチの作りが求められたのも納得がいきます。

日本とイギリスは、どちらも島国で四季があって、雨がちだったり、共通点が多い。僕は英国的な生地や作りは、日本と相性がいいと感じて、好きです。だから、自分が着るのもカチカチがいいって思っていました。

そこに例のペラペラのジャケットが届いたんです。自分の好みがひっくり返されたなと思いました。ただ、ペラペラのジャケットに気を取られているうちに、”やっぱりこっちも好き”なジャケットが来ました。

こんなにかっこいい生地のジャケットには、このくらい面白いパンツじゃないと。

言うなればトロトロのジャケットです。ペラペラのジャケットと形は同じですが、生地がトロトロに変わるだけで大きく印象が変わります。軽く羽織れるのにドレスライクで背筋が伸びるような気持ちになります。

ゴージャスな艶感、肉厚でハリコシのある生地感。最高級であることは間違いなし。軽くて簡素な作りと唸るほど美しい生地のミスマッチ。サラッと羽織れるのに、一級品の見た目。ミスマッチなベストマッチです。

もちろんパンツもトロトロ。お茶目だと思っていたカカトのギャザーは、美しいドレープに見えてくるんです。生地が肉厚になった分、生地の溜まり方や流れ方全てが美しいです。履き心地はとても良くて、わらび餅みたいにトロトロなのに身が引き締まる感覚があります。 レザーシューズで締めるもよし、スニーカーで溜めるもよし。これだけドレッシーな生地のパンツって、逆にどんなシューズにも合うってもんです。
英国 生地で最も憧れているのが、前回ご紹介したDORMEUIL社の生地です。生地は15.7 MICRONS SUPER 160'S 8 PLY。とても細い糸を撚り合わせて太くして、高密度に織った生地で、ナチュラルなストレッチ性を備えています。DORMEUIL社の長い歴史に裏打ちされた技術と哲学の詰まった最高の生地です。目の詰まり具合だけでなく、表情が桁違いに艶々で美しい。

ペラペラ、トロトロ、どちらも好きな感じになってきました。僕は、イギリスと日本のように 洋服でも音楽でも国でも女の子でも、好きなモノ、コト、ヒトと自分の共通点をいつも探してしまうんです。自分と通ずるところがあると、よりわかる気がしたり、親近感が持てたり、愛着が生まれたりする。最近は、僕とペラペラとトロトロには共通点あるかなって考えています。皆さんも共通点を感じに、探しにきてください。


ヨシダ ユウキ

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