Diary 173 - はっきし言って

Diary 173 - はっきし言ってオーストリア・チロル地方に生まれ、パリを拠点に構えるアンドレアス・シュタイナーによるRier - リア。PradaやMiumiu、Louis Vuittonなどのラグジュアリー・ハウスを経て、地元・オーストリアや北イタリアの小さな工房の手仕事を尊重したモノづくりを中心に、パリ・モードを鮮やかに彩っている。地産地消、いや地産全消という、新しいラグジュアリーやモードの在り方をいち早く体現しているデザイナーの1人で、これからその緩やかなナショナリズム的な動きはますます広まっていくだろう。有象無象のクリエイティブ・ディレクターが蔓延るこの時代に、アトリエに籠り、デッサンからスタートするような朴訥なヴィジョンを持ったファッション・デザイナーの存在は、はっきし言って、かけがえのないように思える。フリースは短パンかスカートと合わせたくなるんだよな〜。前回自分用にオーダーしていて楽しみにしていた高級フリース・パンツは、仲良しのお客さんの元へ。うんうん、それでいいんです。今回は潔く、黒と白。裾絞りジョガーではないのが大事なんですよ。冬はエクストリームカシミアのパンツか、これかといった感じですよね。マイ・フェイバリット、オフ白。汚れるだろうなあ。ただはっきし言って、そんなことはどうでもいいんですよ。

で、お店に届いたRierのフリース・シリーズ。新しいシルエットのハーフ・ジップ、フーディ、使いやすそうなラップ・スカート、前回自分用にオーダーしていたけど、お客さんに取られたイージー・パンツの4種類。いくつかお店を旅立ったものもありますが、まだまだじっくりいきましょう。今見たいものって、こういうのですよね。そうですよね。もちろん今は着れないし、というか、まだまだ着れないし、はっきし言って、今は全然いらない。けれど、確実に感覚の旬みたいなもの、あるんですよね。洋服屋のデリバリーの都合ももちろんあるんですけど、届いちゃった以上は感覚の旬みたいなものの時間の経過は止められない。これなんなんですかね?夏野菜の代表格、トマトが梅雨終わりには水分をたくさん吸っちゃって意外と8月には旬を過ぎているみたいな、そういう感覚。もちろんほんとに今買わなくていいです。でも、服を服として捉えず、感覚の代替物や、大げさに言うとアートみたいな必要、不必要とは異なる軸でモノを見ている人は買ってもいいと思います。こういうお買い物に対する感覚の部分を言葉で説明するのは陳腐で全く好きじゃないんですが、着れないけど最高です、とか言って過度に煽りたくもないし、シーズンとかもはや関係なくないですか、とかって真顔でクールぶりたい訳でもない。

はっきし言って、今を楽しみたいだけ、なんです。

Rier / Fleece Polo, Wrap Skirt, Easy Pants

イタイ

無意識にスタイリングでめっちゃ使ってた。

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