改めまして

10周年というのは色々なことを考えさせられる。
とうにイベントは終わり、ましてや本当の周年記念日は4/8だというのに、いまだに余韻が残っている。考えさせられる、余韻が。

気持ちとしては、お店のオープンと同じくらいフレッシュなものかもしれない。
一度立ち止まって考えて、無音を楽しむ時間なのかもしれない

自分たちがこれから先、本当に何をしたいのか。
何をすることで楽しめるのか。
何が生きがいなのか。

楽しいことを思い浮かべると、それを真っ当にやるには、シャワーのように本を読んで、いろんな場所に出かけて(たとえネットサーフィンでも)、たくさん考えて、たまには何も考えないで、ただ浴びるほど酒を飲んで、を今以上にしないといけないなあ、と思う。

改めまして。

改めまして、僕はイタイと言います。

Mukta、そしてSalの主に仕入れと接客をやらせていただいてます。
基本的に僕たちのお店では、スタッフ5人で話し合って、お店に入荷するものを決めています。
(スタッフ4人じゃなかったっけ?とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、また、そちらの方も改めましてご紹介できればと思います。)

その中で、ある程度シーズンやお店としての方向付けを担当している、といった感じでしょうか。

ですので、他のスタッフに代わって、ベラベラと洋服の話をブログで書かせてもらっている、というわけです。

さ、今日もベラベラと洋服のことを書いていきましょうか。

何の変哲も無い、ただジップがあるだけ。
前回のブログでそう書いた。

ただ、そこにあるだけで色々な想像を膨らませてくれる。
Stefan Cookeというブランドは、いつもそういうワクワクさせてくれるような洋服を作ってくれる。

改めて、このブランドのことを紹介したい。
2年前に、お取り扱いをスタートさせた時のブログがある。

見返してみると意外と、的を得たことを書けているような気がして、少し安心した。

デザイナーはStefan CookeとJake Burtの2人。
本当にチャーミングな2人で、いつも彼らと会話をするのは楽しい。
こちらの拙い英語を拾ってくれたり、セールスのリクくんが翻訳してくれたりして、ただ取り留めの無い話をしている時間がほとんどだと思う。

もちろん、コレクションについて言葉を交わすのはすごく重要だ、そうなのだけれども、彼らが作る洋服に関しては、小説や音楽と同じで、彼らが洋服を通して表現するファンタジーを読み取る作業の方が頗る楽しくて、いつも悩まされる。

Oiled Cotton Coat with Brass Button, Wool Trousers with Zip Pocket

彼らは伝統を重んじる。
古いものの中から、新しさを見つけ、古いものを古いままで終わらせない気概があるように感じる。
彼らなりのチャーミングなやり方で、ファッションの楽しさを表現してくれる。

納期はあまり守らないけれど、うーんまあ、ご愛嬌ということにしておこうか。
次は、よろしく頼みますよ。

Oiled Cotton Sports Jacket, Diamond Slashed Jumper, Infinity Collar Shirt, Shoes

エレガントであり、チープでもある。
アヴァンギャルドであり、日常的でもある。
格式高くあって、軽やかな洋服たちは、飲みやすいけれど少しクセのあるワインのように。知らんけど。

あ、ワイン飲みたい。

Tweed Tailored Jacket with 5pockets and Brass Button, Tweed Trousers with Zip Pocket

こういう葡萄の皮をしがんだような顔で着てもらったらいいんですよ、本当。格好つけずに。
僕はそっちの方が「味」があるのではないか、と思います。

Belted Biker Jacket with 5 Pockets

「味」があるファッションが僕は好きです。

どういうものがその基準を満たしていることになるかを言葉にするには、僕にはまだ経験が足りていないように思えるけれども、一つ確かなことは、その着ている人、まさにその人でないと、そのファッションが輝いて見えないということだと思う。

その人が転んで破れてしまった跡。
その人の体型だから入る皺。
その人の好きな音楽を知っているから分かる雰囲気。
その人特有の質感。ウエスト位置。レングス。色使い。

まさにその人でないと、成り立たないファンタジー。

そういうものにいつも惹かれる。

いきなり自分のファンタジーを生み出すのは難しい。
それに狙って作るものかと問われると、そうではない気もしてくる。

だから、僕はまずデザイナーが提案してくれるファンタジーの世界を体験してみる。
そのファンタジーの世界で暮らしていくうちに、自分の仮住まいが出来てくる。
そこに居続けてもいいし、アナザーストーリーへと旅をしてもいい。

この世の中には良い意味でも悪い意味でもファンタジーに溢れている。
曖昧で、下らない幻想に埋もれてしまわないようにするには、人間に本来備わっているはずの様々な物事の機微を読み取る力を最大限発揮するしかない。

それを発揮するにはただ教養を詰むしかない。
文化の死は精神の死だ。とうちのザキミヤさんは良く口にしている。
本当にそう思う。

少なくとも、Mukta / Salに来てくださるお客様にはこの現実世界でより楽しんで生活を送ってもらえるように、ファッションを通して文化的に手助けをしていきたいと思う。
尚且つ、皆が特別感を持ってくれるように。

僕は心の中ではうちのお店に来てくれている人たちが一番素晴らしいと思っているし、かっこいいと思っている。超特別。

それが、何より喜びであるし、そう思ってもらえるように努力しないといけないし、、

あれ、やべ、違うこと書きすぎた。


長々とすみません。


何が言いたいかというと、今シーズンも最高っす。ステファン。
5月頭にデザイナーの2人とコミュニケーションを取れる企画を予定しています。
GW、開けといてください。

ああ、ワインノミテー。

→Stefan Cooke SS21 Collection

イタイタイコウ




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