Before The Words / Kids Love Gaite

最近、随筆 - いわゆるエッセイを読むのに夢中になっている。読みやすいし。

いわゆるエッセイというものは、比較的口語体に近い文体で、現実世界に起こった出来事を筆者の視点から「つれづれなるまま」に書いたもの、というのが説明にふさわしいと思う。

その多くは共感を得るような、仄々とした日常を描く、いわば庶民的な文であるような気がする。
ブログもある意味そういうフシがある。

ただ僕は、それを通して決してそういう仄々とした日常を擬似的に体験したいのではない。むしろそれは、日常を非日常的に楽しむためのツールでありたい。と僕は思う。

変人、極端にいうと狂人が書くエッセイ、つまり、非日常的な視点を持った筆者が描く、日常の切り取り、が今ものすごく面白いのだ。

僕はルーティーンで生きられる人に対して、物凄くリスペクトを持つが、やはり飽き性の自分はそれが中々できない。

日々、栄養を貯め込まないと、真面に文章も毎日書けないやつなのだから、それはもう少しでも変化を求めてしまうよね。

ただ日々のルーティーンのなかで、劇的に何かを変えることは難しい。少なくともそりゃあ、転勤するとか、結婚するとか、大きな環境の変化が多々あればいいけれど、それはそれで負担もかかるし、それらも当たり前に慣れが来る。

その中での一つの手段が、日常を非日常的に切り取る視点の獲得、というわけだ。


人間はほんと面白くできている、と度々感じる。

人間は五感の中でも極端に視覚から受け取る情報が多いからか、文字通り、視点を変える、視野を広げる、ということが視覚的な意味でない方で、大いに重要な変化をもたらす、ということは明らかだと思う。

ある5歳くらいの女の子が泣いている。
近くには赤い風船が銀杏の木に引っかかっている。

これに対する凡庸な連想は「風船が取れないから泣いている」。
けれど、視点を変えると「ギンナンが臭くて  / 服に付いて、泣いている」のかもしれないし、「何か別に泣く原因があって、その拍子に風船を離しただけ」かもしれない。
こういう状況でも、引き出しさえあれば無限の可能性を切り取れる。

LINEで変友人たちに何を連想するか聞いたところ、「バンクシー」やら、「えほん」やら、「りんご!茶黒!」やら、「風船を誰かにプレゼントする予定だったから、」やら面白い答えが返ってきました。
あなたは何を連想しますか?

日常をより咀嚼し、味わい、楽しむための非効率な非日常的切り取り、そのために僕は変人のエッセイをいまたくさん読んでいる。

長すぎるのがもはや恒例の前置き、僕の中では前座と-もはや呼びたいような書きようだが、宣伝や商品説明を回り道しないと伝えられないこの愚かさよ。

B to B。企業間取引のことでも、交代交代のDJプレイでも、ベートーベンでもなく。

Back to Basic。「靴屋に立ち返ろうよ。」

ただ、その「ベーシック」には、さながら「非日常的な切り取りをした日常」のように、KIDS LOVE GAITE が描くストーリーがある。

さて、今回は3つのコンテンツをご用意しました。

一つはKIDS LOVE GAITEのマスターピースと呼ぶべき厳選した木型を用いた"BASIC" シューズ。
個人的にはウイングチップが気分かな。野暮なざっくりニットを着て、なんかスウェットパンツとか、山系のナイロンパンツに合わせても品が出ながらヤラシクないやつ。

そして、山本氏のルーツでもある "The Old Curiosity Shop、木村 大太氏との共作"。木村氏の代表作"Big Foot"をベースにKIDS LOVE GAITEがアレンジ。
これは言わずもがな最高。パンク。

最後に、僕たちとしても初の試みとなる、"パターンオーダー"
これは楽しみ。それはもう物凄く。

ブランドの代名詞でもあるダブルモンクシューズをベースに、ソール、アッパー、金具、インソール、などをいわば自分の好きなようにカスタムできる。

カスタムオーダーほど、自分が普段培ってきたものが試される場はない。
今回ご用意いただいたレザーは16種類。どのレザーをアッパーに持ってきて、それに対してどのパーツを選ぶか。

どハマりしたときの気持ち良さったらありゃしない。
最大のラグジュアリー体験だ。と僕は思うね。

 こちらはレザーの種類によっては生産に限りがあるものもあるので、無くなったらごめんなさい。

そういえばふとブランド名の由来が気になり、いきなり電話で聞いてみたところ、GAITEってスラングで行進、とか地団駄を踏むとかって意味らしく。ズシズシ聞こえてくる系ですね。

初日20日の土曜日はデザイナー山本氏と最高のPR/セールスである津田氏にご在店いただきます。ぜひお二人とたくさんお話ししてください。僕はそれがいつも楽しみです。

15時〜19時くらいに来てもらうのがいいかな。あんまり遅いときっとお酒飲みに行っちゃうから。

価格は6万円〜10万円くらい。来年の春くらいに納品予定。

また、今回のイベントに合わせて、Corgi、そしてWhimsyという対照的な二つのソックスもご用意しました。

かたやイギリスのクラシック、クシュクシュ系のマーセライズドコットンソックス。イギリスのおじさんらしいダルダルになってくるのが味あっていい。
かたやマイメンチダイくんも所属し、優しいソウタさんが率いる大阪発のカルチャーソックス、今回は和紙繊維を使用したタイプを入荷しました。ワシワシしてて(いや洒落でなく)履き心地も色味も最高。

さあ、おいでナスって。

イタイタイコウ

KIDS LOVE GAITE ORDER EVENT
at Sal 神戸市中央区加納町2-4-10
11/20(土) - 11/23(火)
13:00 - 21:00
通販での受注も受け付けますので、お気軽にご連絡ください。
info@mukta.jp
078-291-5045


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