Diary 170 - ノンシャラン

Diary 170 - ノンシャラン

Ensou.のSplash Painter Jeans。このパンツを履いた時に、あ、これはエンソウのパンツだな、って思った。アメリカンカジュアルなフォーマットを使ってエンソウが作ったこの新しいパンツは、飾り気はないけれど、きちんと洒落ている。

ドレスウェアを扱うお店で働いていた頃、色落ちしたデニムに、デニムシャツを着て、ジャケットを羽織っていた僕に、先輩が「ノンシャランな感じがいいね」って言ってくれた。ノンシャランってどういう意味ですか?っていう疑問は飲み込んで、ありがとうございます、と返したことを覚えている。

王道のペインターパンツ、ブランドの得意とするトラウザーズのような美しいシルエット。洗い込んでフェードがかったような古着のブラックデニムと思いきや、ムラがある墨染めのグレーデニム生地。白、黒、ブルーグレーのペンキがスプラッシュ。フロントの左右に誇張されたコインポケット、お尻にもデカめのパッチポケット。背面にensou.のテーラードジャケットやカットソーでも多用される、意味のあるのかないのかわかんないダーツ。エンソウというブランドは今までちゃんと触れてきたことがなかった。エンソウってどんなブランドだろうって思ったら、ノンシャランって言葉が出てきた。つまり、飾り気はないけれど、なんだか洒落ている、狙っていない格好良さがある洋服。Ensou. / Splash Painter Jeans - Sumi Dyed Black

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ノンシャランというのは、フランス語で無頓着、無関心という意味なのは今は知っているけれど、いまだにどういうスタイルがノンシャランであるかということは感覚的で、言葉にするのは難しい。ただ、自分はセルジュ・ゲンズブールのような飾り気のない洒落たスタイルが好きであることは間違いないし、意識的にも無意識的にも影響を受けている。だから、自分は精一杯、腹に力を入れて選んだ洋服を、最大限、肩の力を抜いて着るようにしている。

それが僕のノンシャラン道。ヨシダ・ユウゲンズブールって呼んでください。

 

ヨシダユウキ

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