あなたは私の宝物

「あちぃな」
「でも昨日よりマシじゃない?」
「ちょっとだけ風があるからね」
「お昼何にする?」
「うーん、あっさりしてて、蕎麦ではないもの」
「なんやそのナゾナゾは。」
「とりあえず、喫茶店でアイスコーヒーを飲もう で、飲み終わった時の気分で」
「おっけー。」



「コーヒーでなんか、満足しちゃった」
「ちょっと、わかる。」
「近くで服でも見にいこうよ」
「いいよ〜。」


黙々と服を見る。

「どっちがいいと思う?」
「うーん、あっさりしたいならこっち こってりしたいなら そっち」
「じゃあ、こっちかな。」


「もう18時か〜、映画でも見る?」


最近、ホスピタリティ、みたいなことをよく考えている。

いわゆるおもてなし、みたいなことだと思うのだけれど、いやはや、あんまししっくりこない。もちろん丁寧さ、とかそういうものは大事、ただ自分はそういう、丁寧なことのみに対して特段ホスピタリティを感じない。

おもてなしって、丁寧にこしたことはないけど、相手のことを考えた、いわばその人なりの、やりすぎない思いやりのことで、大切な誰かのことを少しだけ考えてみる、そういう時間のことをホスピタリティって呼ぶんだと思う。明日9日(土)から、女性に寄り添った視点でデニムを中心としたコレクションを製作する、Tu es mon Tresor - トゥ エ モン トレゾア のポップアップイベントを行います。今回は新作コレクションの中から、ウィメンズはもちろん、メンズとしても選べる豊富なラインナップをご用意いただきました。

僕たちにとって、お初のお取り組みなんですが、自分のお買い物だけでなく、誰かのために選んであげたり、考えてみたりするイベントをやってみたいな、と思い、企画しました。

お盆期間、まったりとした暑さが続きそうですが、店内は涼しくしてますので、ぜひごゆっくり、ご家族もしくは大切な人、お友達と一緒にお越しいただけると嬉しいです。もちろんお一人でも! 僕たちなりのホスピタリティで皆さまをお迎えします。

Tu es mon Tresor -「女性のためのセーフプレイスを作りたい。女性の視点を通して、女性の身体や感性に寄り添ったデニムを提案する」というデザイナー佐原愛美氏の考えから生まれたクリエイティブなデニムブランド。近年は、建築家・吉村順三が設計した熱海の邸宅におけるインスタレーションなど、ファッションを軸足に、建築、家具、工芸、写真など、広範な文化的領域を横断するような表現活動を行なっています。Emerald, Lapid Lazulli, Coral, Topaz, Aquamarine... 宝石の名前が散りばめられた多様なスタイルのジーンズ。タッフみんなで試着してみたところ、男性でも可愛い。"The Feminine Denim"という言葉がぴったりというか、女性的なんだけど逞しさも感じる新鮮なバランス。素直に欲しい、と口に出ちゃいました。結構いいな。

明日から店内も秋冬仕様へとシフトします。お暇あればぜひ遊びにいらしてください〜。

イタイ

初めて洋服を見たのはDSMG。確か数年前のちょうど今くらいの時期、秋冬の立ち上がりの日にたまたま銀座にいたので立ち寄ったDSMGで、あの空間では少し異物なデニムオンリーのコレクションがちょうどワンラックか、ツーラック、並んでいた。はっきし言ってあの日見た洋服の中で、どうしてこんなにコンサバ(に見える)ものがドーバーに並んでいるんだろう、川久保さんってこういう雰囲気のものもセレクションするんだなあ。と違和感が残る一方で、唯一記憶に残っているラックだった。

その後、建築家・吉村順三が設計した熱海の邸宅の改修に関わり、インスタレーションを行うデニムブランドの存在をWeb記事で知った。あーこれあの時見たデニムの人だ、すっげえな。ファッションブランドで、しかもデニムメインでここまでやれるの半端ないなー。って。

自分のためだけではなく、大切な誰かのために洋服を選ぶ。僕たちはいつもそれを仕事としていますが、そういう機会にしてもらえたらいいなって思いました。

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