Diary 027 - ほぼ日

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Nicholas Daleyの洋服の魅力は着て初めてわかる。いや、もしかしたら着て1週間後、1ヶ月後、1年後にようやくわかるかもしれない。Nicholas Daleyの一番の魅力は生地、ではない。いや、正確に言えば東洋人が着た時の一番の魅力は生地、ではない。スコットランドのウール、リネン、シルクや京都の染めなど、シーズンごとにさまざまな老舗生地屋に制作されるオリジナル生地はコレクションを象徴づけるし、ひねりを加えたクラシック・パターンは非常に魅力的な輝きを放つ。けれども、Nicholas Daleyの一番の魅力は生地、ではなく、我々東洋人が過ごしている日常に、1%の非日常を持ち込んでくれることだ。彼が作るコレクションは非日常的なデザインは少ない。むしろ、音楽や民族の文化的な背景をルーツにしているコレクションが多いために、非日常的になりようがないとも言える。ただ、それは彼の周りのコミュニティや彼自身が身に着ける場合に限ってのことで、東洋の地で、東洋人が着た時には、非日常な面白さを感じる。山本耀司氏や宮下貴裕氏に多大なる影響を受けた、ほぼ日本人みたいな精神性を持ったニコラスが、東洋人とは直接的に関連のないバックグラウンドを持った洋服を、東洋人が着る面白さ。僕はアフリカン・カルチャーやクラフトマンシップを加えたY'sのような感覚で捉えている。それが、我々東洋人が着た時の、99%の馴染む感覚と1%の非日常感につながっているのだと思う。故にラックにかかっているときには目新しさを感じることは少ないが、袖を通して鏡に映った自身を見たときに、微かに非日常な香りが漂う。とりわけ、このスコットランド・Locharron社にビスポーク依頼した製作されたモヘア・ウール・タータン生地のオーバー・コートには、それを感じた。旬の食材を頂くように季節に合わせて洋服を選ぶとしたら、こいつは間違いなく、旬。イタイタイコウ

Nicholas Daley AW22 Collection
https://mukta.jp/collections/nicholas-daley

ご興味がある方は、以前のブログも

↑ニコラスのバッグ、かなりデカくてコートと合う

↑ボナーのジャージと合わせて帽子も被って心はジャマイカン。憧れちゃうね。めっちゃファッション。

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