Diary 035 - 無駄遣い
Diary 035 - 無駄遣い
LES SIXというブランドはMukta / Salの取り扱いブランドの中でも、ほぼ店頭に並んでいないという、特異な立ち位置にある。
鳥取生まれ、イギリス育ち、アメリカで基盤を築いてきた、ディレクターである川西 遼平(a.k.a.痛風持ちの皮肉屋)氏は、いかに今の時代においてDIY的に面白い事をできるか、を至上命題としており、彼とはお互いに無理難題を押し付け合う、いわば無茶振りシーソーゲームを数年前から続けている。
今回の企画は、昨年12月に急遽動き出した。川西氏が2017年にニューヨークのミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザインで催された『FASHION AFTER FASHION』へ参加した際の展示にオマージュをささげ、時間も限られている中で「元々存在するものから何か作れないか」というお題でスタートした。
タイトルに冠せられた”MUDADUKAI”とは、ヴィンテージ・スーツを用いた、無駄をなくすようなアップサイクル性と、スーツ上下をわざわざ一着に仕立てたり、そこにシルバー製のボタンを用いる、どうしようもなく無駄なラグジュアリー性という、矛盾した性質を皮肉的にもじっているのだと思う。
そもそも何かを作ること自体が無駄遣いじゃん、っていうのもある。川西氏に年末の1ヶ月余りで稼働してもらうこと自体も贅沢な”MUDADUKAI”だっただろうか。
数十年後にそのアイテムを見た時に、地域性、時代性、クオリティなど、どれをとっても謎な香りのする一着を作ること。あれ?これよく考えたらやばくない?と勘繰るような、手垢が残った洋服に仕上がったのではないでしょうか。
ベースは日本やイタリアのヴィンテージ・スーツ。インサイドアウト、着物風の前合わせ、オリジナルのシルバー・ボタン、立体的なキモノスリーブ。5着限定で製作いただきましたが、きちんとご紹介する前に残り1着になりました。LES SIX / "MUDADUKAI" UPCYCLE JACKET , ¥198,000-
*店頭のみの販売です。お問い合わせはメールかお電話でお願いします。
残りものには、
服がある。
NEW YEAR SALE 11日まで。
https://mukta.jp/collections/new-year-sale-2023
改めまして、本年もよろしくお願いいたします。
イタイタイコウ