Diary 038 - キッズリターン

Diary 038 - キッズリターン

「俺たちもう終わっちゃったのかな?」
「まだ始まっちゃいねぇよ」
そろそろsulvamが立ち上がる季節だ。

自分はピッティウォモでランウェイ、カモフラが目についたコレクションから展示会に足を運ぶようになった。展示会に行ってまず、型数に驚かされる。グルーピングがしっかりしていて、かつバリエーションがある。そして何を買ってもsulvamにしか見えないデザインの落とし込みがすごい、といつも感心している。さらに驚くのはオーダーした後に店頭に並ぶタイミング。不良のくせに遅刻しない。なんなら誰よりも早い。
今年の周年のイベントではトークショーをしてもらった。どうやって着て欲しいか?って質問に対して、好きに着ればいいって答えてたのは自分の中で心に残っている。なぜなら、好きに着ることが非常に難しいブランドだからだ。よっぽどキャラが前に出ないとサルバムに勝てない。そういった意味では御三家と引けを取らない強さがある。

故に気軽に着崩すなんてことは皆無だ。

現にショップとしてMIXスタイルを提案しようと常に試行錯誤している。
だが良い提案はできても自分たちの中で100点をつけるには及ばない。

そんな中、今回のSS23はsulvamを着飾るのではなく、着崩すってことにチャレンジしたいシーズン。他のブランドと合わせたりサイズ感を変えたりして藤田 哲平が言うように、好きに着る。

自分のものにできるきっかけを作りたい。そんな思いから今シーズンはコレクションイメージを伝えていくのではなく、Mukta / Salなりにテーマを「不良」と題し、ピックアップした。
古今東西、定義は違うだろうが、少なからず「不良」はファッションの歴史を紡いでいる。代表的なのはパンク、ロカビリー、ヒップホップ、モッズ...音楽のジャンルといえばそうには違いないが、彼らは総じてミュージシャン以前に「不良」である。時代も格好も思想も違うけど、共通して言えることは自由を勝ち取る行動をしてきたことではないだろうか。

自分達の時代での不良とは?暴走族、カラーギャングとか、そういうイメージ。

不良でなくとも憧れを抱いてタバコを吸う、金髪にする、ピアスを開ける...少なからず、そういう経験は誰しもあるのではないだろうか。

その時のドキドキ感覚えてますか?過去に一歩踏み出した時の勇気を思い出し、今シーズン挑戦して欲しい。

多分、試着して鏡の前に立った時に違和感はあるだろう。でも、恐れず、勇気を持って着て欲しい。

じゃないと何も変わらない。

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