2個あるといいよな
皆さん、お買い物の流儀、ってありますか? 僕はある。それは気に入った物 / お店 / 人 にとことんお金を使うということ。サブスクみたいなもんで。とりわけ洋服に関しては、2着買うつもりで臨むということ。自分はまあぼちぼちの服の量は見てきてると思う。全ては着てないし、買ってないからなんとも言えないけれど、自分がその時好きなものはハッキリ分かる。そして経験を積むにつれて欲しいものは段々と減ってくる。だから、今欲しいと思ったものは貴重な直感の受け皿として必ず買うようにしているし、なんなら2個買っといた方がいいんじゃないか、とさえ思う。肌に近いものはなんなら5個買うし、靴下なんて膨大な数のストックが家にある。それくらい気に入ってるものだから。某ショップのオーナーはコンビニでも2個ずつ買っててそれはウケた。海外出張時の一コマ。グレーのインナー、ソックスは2個どころではない。
バンダナや手ぬぐいは必須アイテム。柄違いでたくさん買ってしまう。香水も3~4種類を使い分ける。
ジャンヌレの椅子も1個より2個。いや、もっとあったかも@ウェールズ・ボナーのショールーム
マノロのシャツ見本。微妙な型違い。
海外出張についつい持っていってしまうカップ麺も1個より2個。この時、中本は既に1個食べている。
複数買いの応用。1個では意味がないものも、揃えるとリズムが出てくる。
変わるものと変わらないもの。変わるものは一個しか買わない。変わらないものは買えるだけ買う。行きつけの居酒屋だと、9割同じものを頼んで、1割新しいものを頼む。ルーティン化してしまうとワクワクしないし、同じのばっかりなのもつまんないから、変わり種も積極的に取り入れる。変わるものと変わらないもの、そのバランスが取れている人やもの、お店に魅力を感じる。
ということで、レ・シスから変なシャツが届きました。ヨーロッパの上質なパジャマみたいなコットン・ポプリン生地のボタンダウン・シャツを丸々二枚使って縫い合わせることで、台無しにしたシャツです。なんと最初から2個くっついている。バイ貝、いや倍買いするのにうってつけのシャツ。
Aパターン:
前面に上下逆さまのシャツがドッキングされています。ボタンを開けたり閉めたり、袖を結んだり、マフラーみたいに首に巻いてみたり。レイヤードするとひょっこりはんするので可愛いです。Bパターン:
背面にもう一枚シャツがドッキングしています。背面側でも着れます。ストライプシャツを着て、さらにストライプシャツを腰巻きしているみたいな見た目が可愛いです。
CDGHPのコレクションを手掛けていたパタンナーと共同で、"どういう形に縫い合わせたら面白いか"を、まるで粘土遊びのように模索しながら作っていたよう。たしかにほとばしるギャルソン・バイブス。違うのは良い意味で粗い。変なシャツぽくない空気をしている変なシャツ。7,8年前にVetementsとCDGがコラボしてシャツ作ってましたが、あの空気感に近いのかな。Bパターンは前後どちらでも着れます。どっちを前にするかで見え方が変わります。
インラインで制作していたカオスシリーズのフーディに加え、もしかしたらモテそうなドレスシャツベースで当店仕様に制作してもらいました。各パターン限定5枚。
シャツが二枚くっついている変なシャツとしてでも、なんか良い感じのシャツ2枚、倍買いしちゃお〜って感じでも、どちらでも良いと思います。でも単にシャツ2枚でできないことが、このシャツではできる。誰でも思いつくし、真似できそうって思うけど誰もやらない、できない。この潔さ。面白いなと思うのは、誰でも思いつくけど誰もできないことを一番乗りでやっちゃうのがレ・シスの川西さんなんですよね。たった一つのシンプルなひらめきが視野をまるっきり変える良い例だと思います。
自分は今、このくらい振り切ってもいいなって思えてます。変な服はちょっとおしゃれに着こなして、おしゃれな服はちょっと変に着崩す。こういうヘンテコなシャツを着て、街を歩けるように、ワンチャンモテるように、シティにチューニングするというか、爽やかに着るのが捻くれた男としてはなんだか面白いような気がしてます。洋服の文脈がない東洋人だからこそできる装いですよね。
LES SIX / Chaos Dress Shirt
Now Available in store.
*Exclusive Item, only 5 shirts per styles.
イタイ