2025.03.29
Diary 099 - 一張羅だった。
Diary 099 - 一張羅だった。

去年の夏頃に、突然飛び込んで来たニュース。オアシス再結成、アイルランド・ツアーの開催決定。そのあとすぐに、ワールドツアーの日本公演の日程が発表されたのだ。僕は中学生の頃にビートルズを聴き始めてから、ずっとイギリスかぶれの少年のままだ。オアシスのリアム・ギャラガーは、僕を含めたイギリスかぶれたちの憧れであり、ヒーローだ。皆んな、彼の飾らないスタイルに憧れたはずだ。リアムは夏のステージだろうとモッズコートを着てる。そのことに対してインタビューで、「裸でも汗をかくなら、パーカーを着てても同じ」と答えていた。こうゆうところに憧れてきたなと思う。薄汚れたモッズコートや、マウンテンジャケット、彼曰くパーカーは自由奔放で遊び人な彼を煌びやかに見せる。自分らしくあることが1番かっこいいって言ってくれている気がしていた。僕はリアムに憧れてモッズコートを買ったことがある。それを着ている日は自分もリアムみたいに、カッコよく歌える気がした。一張羅だった。


London / boyishnessなスタイル。ゆるめのデニムにスニーカーで、遊びやすさを重視。ロールアップはシューズのボリュームに合わせて、やや太めに。
それから10年ちょっとが過ぎて、オアシスが日本に来るニュースに浮かれつつ、リアムのモッズコートばりにパワーのある1着が店頭に並んでいる。建築資材のような合理性が感じられる、ハニカム柄のエンボス加工が施されたオリジナルの素材のプルーオーバーコート。



ご存知の方も多いと思うが、デザイナーのKIKO KOSTADINOVは、ブルガリア生まれで、ロンドンの名門セントラル・セント・マーチンズを卒業。その後、1年で自身の名を冠したブランドを立ち上げる。彼はロンドンに引っ越した直後に、父親の仕事である建築作業をよく手伝っていたそうだ。この経験は彼の仕事にも、確実に通じているように感じる。

素材は光沢のあるポリエステルで、肩周りにはラインテープ。ハンティングコートをベースに、医療服やスポーツウェアの要素。ウェストの絞りのディティールや、ややゆったりなフィット感。プルーオーバーコートで丈は長めですが、フェミニンな雰囲気は意外となくて、ちゃんとコートの雰囲気がある。
オアシスが無事来日するのかは分からないが、リアムの普段着に負けないくらいには、一張羅を着て行きたいと思う。ちなみに、僕はチケットが取れなかったので、ライブ当日はオアシスを聴きながら出勤することにしようと思う。
KIKO KOSTADINOV / SOLIX PULLOVER COAT
ヨシダ ユウキ
