Diary 085 - 僕オタクなんで

Diary 085 - 僕オタクなんで

今はかなりマシになったけど、数年前までは異常なほどの収集癖がありました。暇な時間があればセカンドハンドショップやフリマアプリをdigりまくり、直感的にカッコいいと思ったモノを買い漁る生活をしていました。今は落ち着いて、当時収集していた300ほどの洋服はほとんど手放してしまいましたが。

アーカイブ的な目線(ディテール特化)で洋服を見た時と、ファッション的な目線(ムード特化)で見た時の洋服の見方は全然違うのですが、Mukta / Salはそれを3:7くらいのバランス感で見るお店だと思っています。普段はスタイリングやムードの話がメインですが、あえて今日はディテール特化の見方で洋服の話をしようと思います。

KOZABUROのEXPLORERシリーズはTHE NORTH FACEのSTEEP TECHをデザインベースにしています。STEEP TECHとは、90年代から30年以上もTHE NORTH FACEのアスリートとして在籍するプロエクストリームスキーヤー、スコット・シュミットをデザインチームの中心に据えた、スキーヤー・スノーボーダーのためのシリーズです。

2016年にSUPREMEとのコラボレーションで復刻

最近ではSUPREMEとの復刻が記憶に新しいですね。配色かっこいい〜。話が広がりすぎてしまうのでもっと深掘りした話は店頭で直接させて頂くとして、 KOZABUROのEXPLORERシリーズのヤバさについて語っていきます。

デザイン・ディテールとしては上記に述べたSTEEP TECHとの既視感があって、ジャケットで言うと3つのフロントジッパーを採用しており、開けるジップの選択肢が多いことで前開きの羽織になったりアノラックになったり、マルチウェイな着方を楽しめる。カバンをあまり持たない身からしたらポケットがいっぱいあるのも嬉しいですね。
中央のポケットは財布を入れるのにちょうど良いサイズ感

 
STEEP TECHはスキー用のハイテクJKTとして生まれたので、全てのディテールに意味があるのですが、都市生活を送る上での着用はオーバースペックすぎる。もう少し質素でいい。

 その分KOZABUROのLSS EXPLORER JACKETはボディーをフェードデニムに置き換えることで「テクさ」を軽減。都市的なウェアとしての成立を果たしています。高機能シェルから土臭さのあるデニムに変換するだけで、こんなにも印象が変わるものなんです。アーカイブ好きとしては、時代ごとの生活の変化に順応するiPhoneみたいなアップデートには心が躍ります。ちなみに僕はiPhoneはすぐに最新版に乗り換える派です。

90's STEEP TECH SNOW PANTS

同生地のBAGGY EXPLORER PANTSも恐らくSTEEP TECHのSNOW PANTSから。膝周りのカッティングと全体の立体的なシルエットが似てるんですよね。

ポケットの数が異常で、13個もついてる。MATSUFUJIのOCTOの8ポケが可愛く見えます。元ネタであろうSNOW PANTSは所謂オーバーパンツでポケットは貫通式。なので、カッティングやシルエットのみを参考にしたんでしょうね。荷物を全く入れられないパンツが、KOZABUROによる現代版アップデートで履けるカバンになっちゃった。(笑)発想も出来上がりもぶっ飛んでいて最高。

生地が被さってる部分はフェード加工が及んでいないから、ボディー本来の色がそのまま残っています。こういうの見るとあがっちゃう。


EXPLORERシリーズはシーズンテーマ、理想郷でもある"Land of Setting Sun"の探検隊が探検する様子をイメージソースにしているみたいで、マウンテンウェアやハンティング、ミリタリーなどのエッセンスを落とし込んでいます。インディゴの青とジップテープの赤がアメリカを表しているのは第一印象で分かると思いますが、その元ネタを探すとTNFにたどり着く。こんな具合に辻褄を合わせていく作業がオタク的洋服の見方です。

重要なのはアーカイブブームが盛り上がりを見せる中、2024年のファッションをどうDJingするのか。当時と全く同じファッションをしていたらそれはコスプレで、そこを脱却するために僕たちセレクト・ショップがあると思っています。イタイさんの直近のブログめっちゃいいこと書いてるから、ここまで読んだ人は絶対読んでください。

商品紹介というより、服を見る目線の話がメインになってしまいましたが、こういう見方もあるんだ‼︎っていう気付きを受け取ってもらえればオールOKです。オタク話を聞きたい場合はいつもより時間に余裕を持ってご来店することをお勧めします。(STEEP TECHの96 jacket手放しちゃったの後悔なう。現物で見比べたかった)

Yuta Hirose

ちなみに、5/18から3日間東京からDE CHIRICOさんを招き、SalにてPOP UPを行います。今日はTNFを軸としたアメリカバイブスなお話でしたが、開催期間中はSTONE ISLANDやC.P COMPANYを筆頭としたユーロバイブスなオタク話が聞けるかも?是非遊びにいらしてください!

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