ムカつき

本当に生きるということは、我々が自らの足できちんとこの世界に立つことだ。
大地を踏み締めて、自らの意志で立ち上がることだ。

「立ち上がる」、「立ち向かう」、「立ち止まる」、立つという行為は能動的な意味をすでに孕んでいる。

そうして、走り出すことだ。「走れ、メロス」のようにそれぞれのセリヌンティウスのために全力で走り続けることだ。

真のゴールはそこには存在しない。真の成功も失敗もない。儚い成功と儚い失敗がそこにあるのみなのだ。

その不安定さが人間を人間たらせる。

直立不動という言葉が人間ではなく像や建物にかかる方が多いことからも、人間の不安定である状態が自然であることが窺える。

酒の飲み過ぎで胃がムカムカする。

身体と精神が相互的に作用するのは多くの人が実感するところだと思う。
だが、常に精神がムカムカしている自分が二日酔いの時には果たして精神がムカムカしているから、身体がムカムカするのか?それとも身体がムカムカするから、精神がムカムカするのか?

ムカムカムカムカムカ。

カムカムビーンズなんて、給食のメニューがあったかもな。

ムカつきをカモフラージュするためには中々工夫がいる。いや、カモフラージュする必要はないんだけれども、ただムカつきがあるのをそのまま態度に出すのは、如何せん紳士としてみっともない。

僕らはあくまでも、紳士を目指さなくてはならない。ジョナサン・ジョースターのように。

カモフラージュという柄に昔から惹かれる。

ミリタリーというカテゴリが特別好きなわけではないが、その柄を都市で身に纏ったときの天邪鬼な面に、気持ちがホッとする。

カモフラージュ柄そのものが、「目立ちたくないし、目立ちたい」という心情を表現してくれているような気がする。

本来「隠す」という目的のものが、却って着用者の個性を際立たせる。
「ユニフォーム」という考え方にも通ずるものをカモフラージュ柄に対しても感じることができる。


いわゆる、迷彩だけがカモフラージュ柄とは思わない。

僕にとってはむしろチェック柄やストライプ柄の方が都市ではカモフラージュしてくれる役割があるのではないかとさえ思う。

この春は、そういう自分自身を、日常に馴染ませながら浮かび上がらせるテキスタイルが使われた洋服が、きっとたくさん届く。

 MuktaとSalで、近いニュアンスの、微妙な違いを楽しんでもらえると嬉しい。

あ、カムカムビーンズじゃなくて、カミカミビーンズだった。


自分がブログをすらすら書けるときは、ムカついている時だということを自覚したので、ようやく少しだけですが書けました。

SSのコレクションが続々と、入荷してきました。
いい服が、たくさんあります。
自らの意志で洋服を選ぶお手伝いを、真摯にできればいいなと思います。

お店に足をどんどん運んでください。
僕たちのお店じゃなくてもいいです。

どんどん色んな服屋さんに、本屋さんに、レコード屋さんに、八百屋さんに、喫茶店に、レストランに、バーに、クラブに、公園に、美術館に、博物館に、足を運んでください。

自らの意志で、自らの足で訪れた場所とそこで過ごした時間が、僕たちの人生の立脚点になってくれるはずです。

イタイタイコウ

https://mukta.jp/collections/onlinestore

P.S.
JUVENILE HALL ROLLCALLデザイナー、入江さんにspotifyプレイリストを作っていただきました。
ジャンルレスかつタイムレスな選曲は、ぜひ一度聴いてみてほしいです。
音楽をさらに好きになるきっかけになるような、プレイリストになっていると思います。

 




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