モダン

 

「モダン」

-現代的・今風な様。

 

大正から明治時代にかけて大流行した言葉だ。

それらの時間は令和の現代から見るとだいぶと過去の時間だ。

現代から見る大正・明治時代のモノ・コトは令和を生きる私たちからすれば目新しさと同時に古き良き「味」があると感じる。

それが現代における「モダン」の言葉の指す感覚だろう。以前のブログでもこの言葉に触れているが、「モダン」=「味がある新しさ」というのが私たちの解釈だ。私たちは「モダン」な物に惹かれている。

誰しもが簡単に情報を得れるこの時代に「目新しいモノ」を見つける事は容易だ。

その上、次から次へとその目新しさは上書きされ、その時「目新しい」とされていたモノは過去の産物になる。

つまり「目新しい」だけのモノは賞味期限があり、これから先にその価値は見出されなくなってしまう。逆も然りでただ古き良き「味」があるだけでは面白味がない。

だから古き良き「味」に目新しいエッセンスが加わった「モダン」な物はいつの時代にも沿うモノとなり、私たちに刺激を与えてくれる。

 

三島由紀夫は「モダン」な人だ。

私が生まれるよりずっと前に撮られた写真だが、味のある古さと同時に目新しさも感じる。

クラシカルな三つボタンのチェックジャケットに、程よくゆとりを持たせた太さのスラックスという絶妙なサイジング。そして目新しい履き口のローファー、それともオペラシューズだろうか。

今回、私たちはこの三島由紀夫が履いている「モダン」な革靴の作製を目指した。

目新しさを感じるストレンジな履き口に、

無駄な装飾を廃した潔のいいアッパーは古き良き日本の美学を感じる。少し高めに設定されたヒールは少しでもスタイルを良く見せようとする人間味も。

 この存在感には熟練の職人による技術の裏打ちがある。

ほぼフルハンドで工程が進む9分仕立て。機械を用いた製法で作られた靴とは履き心地がまず違う。

言葉で説明するよりも履いた方が話は早い。

 ではこの「モダン」な革靴をどう合わせるか?

三島由紀夫のようにテーラリングで合わせる「モダン」でもいい。クラシカルなスラックスから見え隠れするストレンジな履き口に、色味のあるソックスを挿して。

しかし今は2022年。

2022年のスラックスは遊びが効いている。

裾を絞ってリブパンツの具合にシャーリングをつけて足元に彩りを。

「モダン」に現代の要素を組み込む、「ネオ・モダン」とでも言おうか。

 カモフラにレーザーカットみたいな未来的な要素を組み込んだっていい。ミニマルでストレンジな"Mishima"はどのスタイリングにもフィットしてくれる。

 

折角今を生きて、服を楽しんでいるんだから自分の「ネオ・モダン」なスタイルを模索して見ては如何だろうか。考え、噛み締める時間を大切に。

自分で考え、自分の個性に合わせれば良い。

自分で考え着用する事で「Anti timeless」が自分にとっての「Timeless 」になるのだから。

 

T

Dave babyのロゴがニクい恰好良さ。

Recent Post