Diary 126 - 縁がなかった

Diary 126 - 縁がなかった
僕は以前まで食にあまり縁がないというか、なんでもいいというか、とにかく関心がなかった。けれど神戸に来てからは、宮崎さんとイタイさんに色んなお店に連れて行ってもらえるようになった。少しずつおいしい御飯を食べるようになり、お酒も呑まなかったけれど、呑むようになった。身近ではなかったものが、身近になってきた。

身近なものには安心と弛緩があり、身近ではないものには不安と緊張がある。身近ではないものには、不安と緊張の影に、新鮮味と挑戦が顔を覗かせている。

KOZABUROのSASHIKO 3D TROUSERS。GABRIELA COLL GARMENTSのロロピアーナタンクトップFAFのネオプレンジップパーカーを羽織る。ルーズな腰位置が映える。

ファッションでも同じことが言えると思う。

Mukta / Salには、僕にとって身近ではないものもたくさん並んでいる。例えば、このKOZABUROのパンツがそうだ。KOZABUROの服を買ったこともなければ、着たこともなかった。だけど、食に対する関心の変化もあってか、身近ではないものを着てみたくなった。
ブランドがハニカム刺し子、と呼んでいる、ミツバチの巣のような形をした刺し子生地。ムラのあるマットなグレー。その生地のタフさはCarharttのダブルニーパンツみたいなものか。日本のワークパンツ。そう考えると、身近に感じてくる。膝周りの湾曲した丸みや、裾周りの後ろに跳ね上がった立体的なシルエット。凛とした佇まい。

僕にとってKOZABUROは身近ではなかったので、イタイさんと宮崎さんに「ズバリKOZABUROとは?」と質問してみた。

イタイさん「日本めっちゃ好きなアメリカ人」

宮崎さん「日本人の皮被ったアメリカ人」

と言っていた。なんだかすごくしっくりきた。そういえばこの間、宮崎さんに入社祝いで服を頂いた。それはKOZABUROの服だった。身近ではなかったものが、身近になってきた。

ウツミ

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